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2016 · 04 · 02 (Sat) 21:07

▲『プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する』ゲイル・キャリガー

▲『プルーデンス女史、印度茶会事件を解決する』ゲイル・キャリガー(ハヤカワ文庫FT)
 異界族と共存する19世紀の英国。人狼のアルファを父に、〈魂なき者(ソウルレス)〉を母に持つレディ・プルーデンスは、養父の吸血鬼アケルダマ卿からインドの紅茶についての調査を依頼される。親友プリムローズ、その双子の弟パーシー、発明家の息子ケネルを連れ、アケルダマ卿からのプレゼントである飛行船〈斑点カスタード〉号に乗って出発したプルーデンスだったが──。("Prudence" by Gail Carriger, 2015)
・〈続・英国パラソル奇譚〉シリーズ第1作

 ヒロイン・プルーデンス(ルー)の母アレクシアが活躍する〈英国パラソル奇譚〉シリーズを読み終わり、それより古い時代の〈英国空中学園譚〉シリーズ第1作を買ったはいいけどまだ読んでないという状況で、ついこっちの新シリーズを先に読んでしまった……orz
 パラノーマルロマンスに入れるかどうか迷って、ちょっとそれっぽい含みはあったので、とりあえず。お相手は、前シリーズでも活躍したフランス人発明家ルフォーの息子ケネルらしい? ヒロインのルーも若いので、ロマンスっぽい展開になるのは、シリーズ後半になるかもね。
 やはりこのシリーズは、世界観を楽しむものという感じです。前半はしつこいくらいにルーの能力よりも生活というか、ちょっと変わった英国貴族令嬢としての日常を描く。飛行船でも外国でも、そのこだわりをいかに変えないでつらぬくか、という展開。
 ルーの能力は、異界族の能力を奪って自分のものにするというもの。英国では“超異界族”と呼ばれ、人狼は“皮はぎ屋(フレイヤー)”、吸血鬼は“魂盗人(ソウル・スティーラー)”、この作品に出てくる人猫は“皮追い人(スキン・ストーカー)”と呼ぶ。
 万能シェイプシフターという彼女の能力は、後半のインドで活躍することになり、そこから面白くなってきました。人猫(ライオン)、人猿といった未知の異界族に姿を変え、危機を乗り越えていく。
 途中で「日本には人狐とかいるんだってさー(゚Д゚)」という話をみんなでしているシーンがあって、ルーが日本に来て、妖怪に化けまくったらどうなるんだろう、と思ったりした。いろいろな国の異界族にシェイプシフトする話というのは面白そう。
 でも、元が人間じゃないとダメなのかな? 日本での人狐って、基本は人じゃなくて狐じゃない? 人間から変化(へんげ)するというものばかりではないから、どうなるんだろう?
 お話は超異界族としてのルーのダイナミックな活躍によって意外な方向に──というわけではなく、割と政治的というか外交的な終わり方になる。そういうところがこの作品の味わいなんだとは思うし、ことさらに「英国」を強調するというか、支配的な帝国主義を皮肉る。面白いんだけど、鼻につくところもないではない(´ω`;)。
 キャラもますます多くなってきていて、追うのが大変だ……。向こうのシリーズものはこういう傾向が多いように思うな。まあ、キャラが少ない(増えない)場合は、ストーリーが勝負なわけでゲフンゲフン──〈英国空中学園譚〉シリーズも読もうかな(´∀`;)。
(★★★☆)

最終更新日 : 2016-04-03

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