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◆『さよなら片思い』クリスティン・ジェイムズ

◆『さよなら片思い』クリスティン・ジェイムズ(ハーレクイン文庫)
 30歳の誕生日の朝なのに、エミリーはひどく落ち込んでいた。平凡で目立たない自分は、これから愛も恋も何も知らないまま、歳を取ってしまうのかしら……。あまりにもみじめで、一人で残って仕事をしているうちに泣いてしまった。そこへボスで弁護士のアダムが帰ってくる。彼はエミリーを飲みに連れ出し、事情を聞くと、こんなことを言った。「どうしても経験したいと言うのなら、なぜぼくに言わなかった?」("A Very Special Favor" by Kristin James, 1986)(※2009年、キャンディス・キャンプ名義でMIRA文庫にて再刊)



 キャンディス・キャンプがクリスティン・ジェイムズ名義で出したものです。MIRA文庫のももう古本状態になってますけど(´・ω・`)。
 女性として30歳で恋愛経験も性体験もないというのは、今でも気にしてしまう人が多いのではないでしょうか。とはいえ、価値観なんて人それぞれだし、そういう経験のあるなしなんて本当は関係ないんですけどね。ただ他の幸せをたくさん知っていても、恋愛は相手のいることで──その相手に認められ求められるということは、承認欲求に深く関わってくる。赤の他人から身も心も愛されるというのは、喜びが深く自分に対しての自信もそなわる。「自分は特別だ」と思える大きな機会なのですよね。
 年齢もあると思うのですよ。30歳なんて私のようなおばちゃんから見れば充分若いのですけど、そんな私でもそのくらいの時期、「他の人はできるのに自分にはできないこと」について悩みました。人と比べて悩むのは、若い頃の特権だと思う。年を取ると人のことなど気にしている余裕がなくなってくるのですよ(*´・ω・`)(´・ω・`*)ネー
 とにかくそんな微妙なお年頃のヒロイン・エミリー。ボスのアダムに入社以来10年片思いをしています。その間、彼は名門出の美しいお嬢さまと結婚して、妻を間男に取られて離婚しています。
 このエミリーと、彼女を取り巻く家族の描き方がなかなか絶妙でした。エミリーは自分が「目立たなくて平凡」と思い込み、自信がないというか、自己評価が低すぎていろいろあきらめてしまっている。同居している母と伯母の性格は正反対で言い争いばかり。最初はこの二人が毒親なのかしら、と思ったんだけど、エミリーと人間的にあまり合わないゆえにうまくフォローできないだけで、愛情はちゃんとある、という人たちだった。だから、後半エミリーが自信を持って反論をしたり、家を出て一人暮らしをしたりと自立できるようになる説得力があった。家庭環境でひねくれてたわけじゃないんだよね。支えが少し足らなかっただけなんだよ。
 アダムからの「誰かにいろいろ教えてもらいたいのなら、俺がやってやるよ(゚д゚)!」という申し入れを受け、二人は週末を一緒に過ごします。そのあときごちなくなる二人のすれ違い、誤解が解けて楽しく過ごす毎日、美しくなっていくエミリー──というのはラブコメの王道です。そして当然、アダムの元妻キャシーが離婚して彼とよりを戻したがる、という展開も。
 ここで面白かったのは、エミリーが、

「キャシーとアダムを争っても勝ち目はない。けど、試しもしないで引き下がることなんかできるか(゚Д゚)ゴルァ!!」

 と発奮するところです。「どうせ最後なんだから(´;ω;`)」みたいなヤケクソ感もありますけど、自分のことを「人生をこそこそ過ごすネズミのよう」と言っていたエミリーが精一杯がんばる!
 まあ、実際はやる必要はなかったんですけど(´∀`;)。でもこれはアダムのためではなく、間男とうまくいかなくなったからって「戻りたい」とか言う図々しいキャシーへのこっぴどいあてつけだよね。スカッとしました。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
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