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2009 · 05 · 22 (Fri) 21:42

●『黒い瞳のエトランゼ』キャンディス・キャンプ

●『黒い瞳のエトランゼ』キャンディス・キャンプ(MIRA文庫)
 アメリカで貿易会社を経営するアレクサンドラは、取引相手セバスティアンのインド美術コレクション見たさにロンドンへやってくる。彼に気に入られたアレクサンドラは舞踏会に誘われるが、そこで紹介された伯爵夫人はアレクサンドラの顔を見るなり、「シモーヌ!」と叫んで倒れてしまう。("A Stolen Heart" by Candace Camp,2000)
・〈運命のモントフォード家〉シリーズ第1作

〈運命のモントフォード家〉シリーズの第一作です。
 面白かったです。キャンディス・キャンプのヒロインって好き。“おきゃんでおてんば”って感じで。下町娘というか江戸っ子みたいというか(´∀`;)。作者の名前から某マンガのヒロインを思い出すけど、あんな雰囲気──いや、あんなにおっちょこちょいでもあわてんぼうでもないですが。
 この作品のヒロインも、イギリス人とフランス人の混血、さらにアメリカ人として育てられるという超アウトブリードな上、キャリアウーマンな人。ヒーローはすぐに惹かれてしまうけど、そうやって女に熱を上げたあげく裏切られた過去のある彼は、周りから変なことを吹き込まれたこともあって、伯爵夫人の孫娘かもしれない彼女を徹底的に疑うのです。けっこうひどく。「詐欺師」とまで! そこまで言わなくても、と思うくらい。
 それでも当然ヒロインは許しちゃうんだけど、後半は彼女の命を誰が狙っているのか、という謎解きが中心になってきて、しかもそっちがけっこう面白かったもので、ヒーローの影がどんどん薄まっていく……。彼が謎を解くわけでもないし、悪い奴はどうにもできない。続き物だから仕方ないんだけど、「まあ、いいか」と思えるくらい薄まってしまうのはちょっとかわいそうでした。
 続きは──気になります。探して読もうっと。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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