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2016 · 06 · 27 (Mon) 15:31

◆『帰らざる日々』ルーシー・ゴードン

◆『帰らざる日々』ルーシー・ゴードン(ハーレクイン)
 クラブ歌手のジュリーは、憧れの地であるイタリアへやってきた。ローマの有名ナイトクラブへ出演するためなのだが、そこで思いがけない人と再会することになる。8年前に別れた恋人リコ・ファルツァ──彼が、ナイトクラブのオーナーだったのだ。8年前、リコの祖父の差金で別れさせられたジュリーは、昔の面影のない彼に、息子のことを知られてはならない、と思う。("Rico's Secret Child" by Lucy Gordon, 1999)

 Kindle本のよいところは、間違って二冊買ったりしないところ──だって、Amazonで買おうとすると、「これは以前購入してますよ」と注意書きが出るし──。
 そんなふうに考えていた時期が、私にもありました。
 しかし、この作品のKindle版を私、二種類買ってしまったのです……orz 二年前に「ハーレクイン・イマージュ」版のを、そしてついこの間、「ハーレクイン・セレクト」版のを。
 どうして……どうして中身は変わらないのに……表紙が変わってるだけなのに……私のようなマヌケを見込んでの商売としか思えない……いや、もちろん違うってわかってるけどさっ(´ω`;)。
 まあ、一番のポカは、蔵書管理を兼ねているこのブログの「本のタイトル」リストに入れ忘れたってことなのですけどね(´・ω・`)。そして、なぜかKindleのリストを確かめなかった。チェックを怠ったということです。あと、買ったらとっとと読む。積読はKindleでも危険。人はこうやって成長していくものなのです(`;ω;´)! ツギカラハキヲツケヨウ……
 閑話休題。
 結局、2バージョンを交互に読んだりしました。泣ける話でした。最近ハーレではあまり泣かなくなったので、ちょっとうれしかった。
 お話は単純で、貧しい歌手志望の女の子ジュリー(当時はパッツィーという名)が、金持ちの息子とは隠していた男の子リコと出会い、同棲して赤ちゃんができる。彼が家族の許しを得るためイタリアへ帰っている間に、彼の祖父が雇ったニセ弁護士が彼女を脅して行方不明を装わせる。そして8年後、ようやくジュリーの居場所を見つけたリコが、彼女をイタリアに呼び寄せて──というもの。
 過去に何があったかを説明するジュリーのことをリコは最初信じないのですが、祖父(故人)は思いやりのない利己的な人間だとはわかってる。実際に脅したニセ弁護士は見つかっているので、全部祖父の計略であり、そこに自分も陥れられたのだと気づいてるんだよね。
 それでも素直に受け入れることができないのは、8年の間に祖父と同じようなやり方に染まってしまい、考え方をなかなか変えることができないということと、自分が「ヘタレ」だというコンプレックスがあること。祖父を無邪気に信じて招いた事態とだまされた屈辱は、自分の弱さのせいだと思っている。
「強くなろう」とするとクソジジイに似てしまう、というジレンマがとてもよかった。そういう点を勘違いするボンクラヒーローの方がハーレは多いですからね(´∀`;)。
 ルーシー・ゴードンのヒーローのヘタレは、なかなかリアルです。欧米ってヘタレが許される社会じゃないんだなって最近ようやくわかってきた気がする。でもそういう状況の中で、「ヘタレ上等!」と言ってくれて背中を押してくれる人がリコにいたのが幸いでした。
(★★★★)

最終更新日 : 2016-06-28

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