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2016 · 07 · 18 (Mon) 13:28

□『ファインディング・ドリー』

『ファインディング・ドリー』"Finding Dory" 2016(7/16公開)
 行方不明になったカクレクマノミの子供ニモを見つけて一年後──忘れん坊のナンヨウハギのドリーは、うっかり激流に飲み込まれてしまう。その時、ずっと昔にも同じようなことがあったと思い出す。両親に言い聞かされたこと、約束したことなどを思い出したドリーは、ニモとその父親マーリンへ、一緒に両親を探してくれるよう頼む。(監督:アンドリュー・スタントン、アンガス・マクレーン)
・同時上映『ひな鳥の冒険』

 面白かった!
 けど、実は『ファインディング・ニモ』は公開時に見ただけ──だと思う。多分、その時も「マーリンがウザい」と思ったんだろうな、と。ドリーよりもウザいってなかなかです。今考えても、かなり責めたキャラ設定だな。
 ドリーは「忘れん坊」という言葉で片づけられない記憶障害の持ち主です。短期記憶が苦手で、思い出すのも苦手。思い出しても憶えているのが苦手。水の中ではメモもできないし、普段は彼女の障害をよくわかっている友だちに支えられている。
 見ている間は、とにかく海中のリアルさや魚の質感、水棲哺乳類のしなやかな動きやかわいらしさなどに目を奪われ、お話はサービス精神にあふれすぎていて、少しゴチャッとしているかなあ、と思っていたのですが(吹替版にもかかわらず、少し飽きちゃってた子供もいたようで……)、見終わってみると、「家族」という言葉を考えざるを得ない内容だったな、と思いました。
 割と私、お話に「家族」を前面に出されると少し引いてしまう人間なのですが、この映画の中で描かれている──というか、理想とするものは、「家族」というより「共同体」なんだな、と。血縁だけでつながるのではなく、手助けをする気持ちでつながる集団、というところでしょうか。
 ドリーも自分の障害はちゃんとわかっているんだけど、それでも外に出て、自分がやりたいと思うことに挑戦しようとする。それはやっぱり、いつも一緒にいる「家族」(この場合はニモたち)が手助けしてくれて、失敗しても受け入れてくれる、と思っているからなんだよね。他の登場人物たちも、ひれが小さかったり、足が一本なかったり、視力がとても弱かったり、神経質すぎたり──一人で生きていくにはいろいろと大変なんだけど、ちょっと助けてもらえばなんでもできるようになる。
「お互い様」みたいな気持ちでつながる共同体こそが、これからの「家族」なんじゃないか、と言われているようでした。人になかなかわかってもらえない目に見えない障害や、精神的な病や、世間から少しはずれるだけで感じる生きにくさを持っている人、もちろん年老いたり病気で弱っている人も、わかってくれる人と支えあいながら暮らすだけで、ずいぶんと楽になれるはずだよね。共同体から外に出ていやな思いをしたって、気持ちを理解して、適切になぐさめてもらえば、次の日からまた元気に外へ行くこともできる。
 本当に理想でしかないんだけどね。性格の問題とか、人同士が合う合わないというのもあるだろうし。人間がそういうふうな家族を普通だと受け入れられる時代は来るんでしょうかね……。たとえ一緒に暮らさなくても、いざという時に頼れる場所さえあれば、救われる人はたくさんいそうだけど……。

 その他の感想ですが──同時上映の『ひな鳥の冒険』はとてもかわいかったです。ちまちまのもふもふっ(´д`*)。こちらも水の表現が素晴らしい。次のディズニーアニメは海を舞台にしているから、やはり気合が入っているのだろうか。
 それから、謎の八代亜紀推しが……ちょっと気になりました。あんなに推しているのならば、エンディングの歌は日本語にしてほしかった、と思ったくらい。あの歌だと訳は難しそうだけど、日本語の方が絶対によかったと思うんだけど。
 そして何度も言ってるような気がするけど、最近はちっとも字幕版をやってくれないですね……。きっと都心に出ればやってるんだろうけれど、私が利用しているのはファミリー層よりの映画館なので、夏休みの間はさらに仕方ない……。でも、みんな上手だったです。特にジンベエザメ役の中村アンがかわいかった!
 岩の上のアシカたちが、乗ろうとした他のアシカに対し、
「降りろ、降りろ、降りろ!」
 って叫んでいたけど、あれってきっと英語だと、
「Out! Out! Out!」
 つまり、アシカの鳴き声「アウッアウッアウッ!」って言ってるはず、というのを確かめるには、ブルーレイディスクを買うしかないなあ。
(★★★★)
[Tag] * ★★★★

最終更新日 : 2016-07-18

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