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◆『あの愛をもう一度』ミシェル・リード

◆『あの愛をもう一度』ミシェル・リード(ハーレクイン文庫)
 画家のマーニーは、四年前に元F1レーサーのガイと離婚した。しかし、兄からまた資金援助を懇願されてしまう。頼れるのはガイしかいない……。新婚の兄の妻に苦労をかけたくない一心で、マーニーはガイに会いに行く。復縁を望むガイは、彼女の頼みへ当然交換条件を出す。つまり再婚だ。("Lost In Love" by Michelle Reid, 1993)



 ハーレの積読というのは、主にネットで評判になっている作品をメモってコツコツ集めたものなのですが、当然私の好みとはズレているのもあるわけです。それが続くと、なんとなく凹む(´・ω・`)。「自分の萌えは他人の萎え、他人の萌えは自分の萎え」というのはこういうことだよね、と実感します。
 でまあ、なんだか知らないけど「元サヤもの」がすごく多くて。嫌いなわけではないけれど、だからといって好みでもないという微妙なジャンルなのに、どうしてそればっかり集めてしまったんだろう、と思ったり思わなかったり。
 しかしこの作品、他のとちょっと違う。……違うかな? まあ、パッと見では違うかも。
 ヒーローのガイは元F1レーサーで、今は会社の経営もしていて成功しているけど、非常にチャラい男。自分がろくでなしだったから友だちもそんな感じで、マジで「悪そうな奴は大体友達」な奴。歳の離れたヒロイン・マーニーを嫁にもらって、歳の差を常に気にしているところがある。若作りなDQN親父のような痛い奴。
 一方マーニーはまだ若い画家で、派手な生活よりひきこもって絵を描いていたいタイプの女の子。恋愛経験のほとんどない彼女を籠絡して、ガイは結婚してしまいます。
 生き方や価値観がまったく違う者同士の結婚は、すぐにうまくいかなくなる。特にガイは、生活を改めることはほとんどせず、チャラい仲間とつきあい、元愛人とマーニーを会わせたりもする。我慢して調子を合わせていたマーニーがキレて、彼の仲間たちとつきあわなくてよくはなったけど、そいつらの悪意あるいたずら(浮気現場を工作される)から離婚に発展する。
 実際に浮気はなかったとはいえ、これはきっかけにすぎない。離婚の本当の理由は、ガイの普段の言動の積み重ねです。こいつ、奥さんが逆らうと、

「あーあー、じゃあいいよ。もっと物わかりのいい女の子と寝るからー(゚д゚)」

 とか言ってたんですよ! 「浮気するぞ」とか「離婚するぞ」とか本心じゃないにしても口にするって、単なる脅しであって今なら完全にモラハラ案件。実際に離婚になったら必死に抵抗したくせに! アホな上にクズとしか言いようがない!
 さらに、浮気偽装の際にマーニーは家出をするんだけど、その時流産までしてしまう。ガイには言ってなかったんだけど、なんとこいつ知ってたっていうんだから!
 ──と、ここまではこの作品の前提なんですよ。つまり、一ページ目から自分のやらかしたことは全部わかっている。そこで他とちょっと違うところなのです。だから最初から反省して当然の状態なのに、なんとこいつ!

 まっっったく反省していない! 全然成長していない! 相変わらず脅迫気味のクズで、やっぱり歳を気にする痛い奴!

 しかもそれらが、最後まで読んでやっとわかるという──あまりの反省のなさにびっくりというか、かなり胸糞悪い気分になりました。なんかやたら嘆いてましたけど、反省もせずに嘆きたがるだけとは、図々しいことこの上ない。
 しかも、最初の結婚の時はマーニーの仕事を許していたのに、今回は禁止するという最悪な事態におちいる。ラストでもそれは取り消されず、なんか田舎にきれいなアトリエ作ってもらって妙に感激してうやむやになるマーニー。
 なんなの、結局ハーレのヒーローというのは、反省しない人間なの!? それともやたら強調していた「ラテン系」だから!? 少し古い作品なので時代もあるだろうけど、ラテン系の人が怒りそうな扱いなんですけど……。とにかく、クズヒーローの選抜にぜひ入れたいDQNぶりでございましたよ(´ω`;)。
 それだけじゃない。マーニーの兄がまたどうしようもなくダメな奴でねー。

「困ったな~、どうしよう~、なんとかしてよ~、困ったな~(゚д゚)」

 とバカの一つおぼえみたいにくり返すだけで、妹の足をひっぱりまくる。クズ男とダメ男ばかりの身内なんてひどく気の毒な感じではあるのですが、それを甘んじて受け入れているというか、「私が我慢すれば」みたいな奴隷体質があって──結局本人の自業自得なんじゃないか、とも取れるという……。
 ドアマットヒロインでも面白いのはあるんですけど、気が強いくせに実は意志が弱いというキャラは、やはり痛いとしか思えない。これもまた「割れ鍋に綴じ蓋」でお似合いな二人なのかな。
(★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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