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◆『涙は愛のために』ダイアナ・パーマー

◆『涙は愛のために』ダイアナ・パーマー(ハーレクイン)
 地方検事補のグローリーは、麻薬組織の事件を担当しており、容疑者から命を狙われている。身を隠すため、ジェイコブズビルにある兄の牧場に料理人として働くことになったが、農場監督のロドリゴは危険な雰囲気を持つ男だった。("Fearless" by Diana Palmer, 2008)
・〈テキサスの恋〉シリーズ第40作



 ジェイコブズビル、なんかもう、狭いんだか広いんだが、安全なんだか危険なんだか、まったくわからない街だ(´д`;)。ロマンス界における異世界と言ってもいいだろう。行くと必ず誰かとくっつかないといけない。
 お話は、面白く読めたのですが、ツッコミどころ満載です。けっこう長めなんだけど、リーダビリティ抜群。麻薬組織がらみの話も、ダイアナのにしてはサスペンスとしてちゃんと盛り上がった。ただこっちもツッコミどころてんこ盛り。登場人物も多いし、名前だけのシリーズキャラもいるし、盛りだくさんすぎる話をうまくまとめている点はすごい。
 まあでも、やはりこの作品の最大のツッコミどころはヒーローのロドリゴでしょう(´ω`;)。実は彼は、麻薬取締局の潜入捜査官なのです。だからややこしい。彼もヒロインのグローリーも正体を偽ったまま惹かれ合う。
 けど、このロドリゴ、これもダイアナのによくあるんだけど、昔振られた女を忘れられない男。彼女とグローリーを比べて失礼なことを考えたり、実際にそれを口に出して言ったりする、デリカシーのない奴。
 私はよくわからないんだけど、いるじゃないですか、身内のことを必要以上にけなす人。他人がその身内をほめると、「あいつはそんなんじゃない、こういうダメなところがある」とあることないことをさも自慢話のように吹かす人。
 まあ、その人にとってはそれも自慢と同じみたいなんですよね。間違った愛情表現というか、「俺以外の人間にあいつのいいところを知られたくない」みたいなひねくれた嫉妬心というか、「あいつのことを一番よく知ってるのは俺」みたいな優越感を抱きたいというか。身内の人がそれに我慢してくれているうちはいいけど、けっこうそれで離婚したり、疎遠になったりしてねー。そうなって初めて「本心じゃない(´;ω;`)!」と言い訳したりするんだけど、たいてい前から「やめて」と言われていてもやめないというか、聞いたこと都合よく忘れる人もいて、めんどくさいよねー。
 この作品では、そんな暴言を山ほどグローリーに吐き続けたのにもかかわらず、彼女はそれを優しく許してしまう。ここまでされても許しちゃうのか、という気持ちもあるし、「ここまでにならないとこの男はわからなかったのか」というのもある。でも、すぐ忘れちゃうんだよね……。ロドリゴ、学習能力ないなー、とつい思ってしまう。いろいろ苦労しているのに、この人間的な浅さ。グローリーも同じくらい──あ、でも彼女は、子供の頃の虐待が主だから、苦労の度合いが全然違うか。確かに妹が殺されたのは気の毒だと思う。が、女性に振られたことをいつまでも引きずるのは本人の問題だしな……。しかも実はお金持ちだし。お金の苦労が悩みのトップに来る人と、そういう苦労を知らない人とでは、考えなきゃいけないことが全然違うんだよね。お金がなかったら人に頼ることが多くなるし、人に頼るためには感謝が必要になる。そういう心配りとは無縁に生きてきた奴だからなー(´-ω-`)。
 ということで、一気読みできるのは楽しいけど、ヒーローがダメすぎる奴だったので、評価はこんな感じ。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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