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●『北と南』エリザベス・ギャスケル

●『北と南』エリザベス・ギャスケル(大阪教育図書)
 英国国教会の理念と相容れなくなった父が牧師を辞め、19歳のマーガレットは南部の田園地帯ヘルストンから、北部の工業都市ミルトンへ移り住む。何もかも違う生活に戸惑う彼女の前に、ミルトンで工場を経営するジョン・ソーントンが現れる。折しも彼の工場の労働者たちがストライキを始め、一人で暴徒と化した労働者たちに相対するソーントンをマーガレットは思わずかばうが──。("North And South" by Elizabeth Gaskell, 1855)



 ああー……読むのに半月以上かかってしまいました(´ω`;)。
「読みにくい」とは聞いていたけど、これほどまでとは……orz

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 大判のハードカバー二段組、小さな文字が段落ほぼなしでびっしり全490ページという……。これと比べたら昔読んだ旧仮名遣いの『高慢と偏見』なんかラノベですよ(゚Д゚)! ……いや、そこまでじゃないかな(´・ω・`)。
 まあでも、翻訳で読めるというのはありがたいことです。ちょっとネットでドラマ(BBC制作。2004年作品)が話題になり、興味を惹かれて「読んでみよっかな〜」程度でも図書館に本がちゃんとある。さすがに買えないです……だって七千円もする(´;ω;`)。
 しかし、ごめんなさい、正直に言ってしまえば、「ドラマがあるならそっち見ればいいじゃない」という感じです(身も蓋もない)。しかし、ここは一応ロマンス小説のブログ。誰も読まなくても自分が読まないといかん、と思って読みました。
 くわしいあらすじなんですが、なんかもう、ちゃんと読めているのか自信なかったりする……。

 英国国教会の理念と相容れなくなった父が牧師を辞めたのを機に、19歳のマーガレット・ヘイルは南部の田園地帯ヘルストンから、北部の工業都市ミルトンへ家族三人と母付きの召使ディクスンとともにで移り住む。農村地帯ののんびりした生活を愛し、ロンドンの裕福な親戚宅でも暮らしたことのあるマーガレットは、商業・工業労働者に偏見を抱いていた。そのせいで、工場の経営者ジョン・ソーントンに初めて会った時も、高慢な印象を与えてしまう。だが、貧しい労働者ヒギンズとその娘ベッシーに出会い、彼らと親しくなることで次第にミルトンに慣れていく。
 しかし労働者たちは工場主たちに不満を抱き、ストライキを決行、ソーントンの屋敷に押し寄せる。母の具合が悪いため、水敷布団を借りに来ていたマーガレットがその様子を見て、ソーントンに「彼らを説得するように」と促すが、一部暴徒と化した者たちがなだれ込むのを見て、ソーントンの前に身を投げ出し彼をかばう。そんなマーガレットの姿を見て、彼女への愛を自覚したソーントンは次の日プロポーズをするが、マーガレットは断ってしまう。
 ヒギンズがストライキのため、労働組合のために奔走している間にベッシーは亡くなり、臨終に間に合わなかった。嘆く彼をマーガレットと父ヘイルは慰める。
 マーガレットの母の病状はいよいよ悪化し、死ぬ前にスペインにいる息子のフレデリックにひと目会いたいと願うようになる。マーガレットは兄に手紙を書くが、実は彼は、軍隊で濡れ衣を着せられ、英国へ戻ってくれば死刑に処せられてしまうのだ。それでも、彼は決死の覚悟で帰国をする。
 母は息子に会えた数日後に亡くなり、フレデリックはすぐに英国を離れることになるが、駅で旧知の人間に見つけられ、見送りに来ていたマーガレットも絡まれる。それを振り払ってフレデリックは列車に乗り込む。ところが、運悪く振り払ってホームから落ちたその人間が数日後に亡くなってしまい、マーガレットの元へ刑事がやってくる。死因が振り払われて落ちたことなのか、それとも長く患っていた病気なのかわからないということで。マーガレットは「その場に私はいなかった」と嘘をつくが、それを嘘であると知っている人間がもう一人いた。偶然その場を通りかかっていたソーントンだった。彼は、フレデリックのことを知らなかったので、それが彼女の秘密の恋人であると誤解したのだ。しかし、治安判事でもあるソーントンは、マーガレットを守るため、刑事に死因審問は開かないように手を回す。そのいきさつを人づてに知ったマーガレットは、自分は彼に軽蔑されているのだ、と思い至る。ソーントンの母親にも責められるが、それに対しては毅然と対応する。
 ヒギンズの隣人で、ストライキ以来逃げていたバウチャーが川で自殺しているのが発見される。失業中のヒギンズは彼の遺児たちの面倒を見るため、ソーントンに仕事を与えてくれるよう頼む。それは、マーガレットのすすめでもあった。ソーントンは彼を雇い、次第に労働者たちとの関係も好転していく。
 妻を失い失意にくれるヘイルは、オックスフォードの親友でありマーガレットの名づけ親であるベルの元を訪れている間に亡くなってしまう。相次いで両親を亡くし、兄もおらず、一人ぼっちになったマーガレットは、ついにミルトンから離れる決意をし、伯母と従妹が待つロンドンへ向かう。
 少し落ち着いた頃、ベルとともになつかしいヘルストンを訪れるマーガレット。だが、ヘルストンはすっかり変わっており、そして自分も変わったことを悟る。ミルトンの方をなつかしく思うくらい。
 そのあとまもなく、身寄りのないベルはマーガレットに多額の遺産を残し、亡くなってしまう。一方ソーントンは、ヒギンズを筆頭に労働者たちから信頼を得るようになっていたが、工場は傾きかけていた。マーガレットはベルの遺産を彼に投資し、工場をこのまま続けていくように提案する。


 ぜいぜい……。ほぼ全部のあらすじを書き出してみました(伯母や従妹のお貴族様ぶり、兄の濡れ衣の行く末や結婚、冒頭でマーガレットに求婚して振られ最後の方で兄の濡れ衣について調査することになり「今度こそいけるかも(゚д゚)!」と無駄な期待を抱くレナクス弁護士などは省略)。最後はとってもあっけない。というか、このあとすぐ終わります。長々といろいろなことを書き連ねたのに、「えっ、この一章で解決(゚д゚)!?」という──。
 まあ、ロマンス的にはハッピーエンドだというのだけ言っておきます。萌えはあんまりないけど、ソーントンは一途にマーガレットを愛し続けるのです。マーガレットは自分の気持ちがよくわからないし、あまりにもいろいろな不幸と心配事が起こってそれどころではない。彼はそんな彼女を地味に支える。ほんとに地味に。具合の悪いお母さんに果物持ってきたり、お葬式も後ろの方にひっそりいたり(もちろん、死因審問のこともあるし)。いい人だけど、派手なアピールはできない。
 彼よりも強烈な印象を残すのは、彼の母親です。息子への愛がものすごく強くて、登場した瞬間から鬼姑のオーラをまとう。ってまだ結婚もしてないんだけど、息子と結婚しそうな若い娘にはみんなこうかも、と思わせる。悪い人ではないみたいなんだけどね……。しかも娘(ソーントンの妹)がアホで。
 ヒギンズやベッシー、そして名づけ親ベルのキャラもなかなかいいんだけど、それを楽しむ余裕というかスキルが私には足りなかったかなあ……。
 あらすじを書き出してみると、けっこう起伏のあるストーリーなんですが、いかんせん余計なところが多いというか、展開が遅いのが読んでいてつらいところでした。おそらくドラマではそこら辺を汲み取っているんだろう。一度見てみたいな……。
 エリザベス・ギャスケルの他の作品では小説じゃなくて『シャーロット・ブロンテの生涯』を読みたいと思いました。ブロンテ自体も好きだし、なんと翻訳が山脇百合子さんですよ(゚д゚)! また時間作って、がんばって読んでみます。

 ということで、作品の感想どうこうより「読み終わった!」という達成感ばかりの読後感なのでした。そういう作品への評価は、いつもこれ。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル その他の出版社 ★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
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