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◆『誤解』イヴォンヌ・ウィタル

◆『誤解』イヴォンヌ・ウィタル(ハーレクイン文庫)
 小学校教師のジェイニーは、いつものように家へ帰り、両親と幼い息子アンドリューに迎えられた。だが、そこには思いもかけない人も待っていた。ルドルフ・ブリンク──二年前、学校を卒業したばかりのジェイニーに結婚を申し込んだのに、別の人と婚約していることを隠していた人──。("The Broken Link" by Yvonne Whittal, 1978)



 シークレットベイビーの王道中の王道という物語です。
 邦題のとおり、最初の段階での「誤解」が二人を引き裂きます。誤解っていうか、ヒーロー・ルドルフの幼なじみシビルが番号を盗み見てヒロインのジェイニーへ電話をかけ、

「私と婚約してるんだから、あんたは遊ばれただけ。あんたの方から『別れる』って彼に言ってよ」

 と言われてしまったことなのですが。(もちろん嘘)
 二人は出会ってすぐに結婚の約束をするけど、ルドルフの父が倒れ、彼は実家に戻らなくてはならなくなる。経営している会社を立て直す必要もあり、ヒロインのジェイニーはくわしいこともわからず、ただ待つばかりという状況です。そんな時にこんな電話をもらって動揺するけど、バカ正直に自分から別れの手紙を出す。シビルからの電話のことも言わずに。口止めされてそれを守る筋合いなんてないのにね。どうせ別れるなら、言ってあっちが揉めようが知ったこっちゃないじゃんねえ(`Д´)。
 まあでも、問題はそういうことではなく、ジェイニーが彼のことを全面的に信じられる状況ではなかった、ということです。ルドルフにとってはタイミングがものすごく悪かったし、シビルに対して脇が甘かった。眼中にないからこその甘さなんだろうけど。
 二年後に偶然子供が生まれていることがバレて、むりやり結婚することになる二人。ジェイニーはもちろん彼が子供への義務感から結婚したと思っている。そしてやっぱりことあるごとに顔を出すシビルに神経を疲弊させます。ルドルフの鈍感さというか、間の悪さに「ざまあ」「気の毒」が行き交う。気持ちが通じ合わないすれ違いの描写はまさに王道。
 とても面白かったので、多少の不満が気になっちゃうのでした。シビルへの制裁が適当というところが特に! ヒーローの反省とともに「もっと読みたい!」「もっと溜飲を下げたい!」と思うのが、横恋慕女への仕返しだろ(゚Д゚)? どうなったかは会話の中にちょちょっと出てくるだけで、直接のシーンはなし。惜しい。
 あとやっぱり昔のハーレなので、ヒーロー視点がないのよね。もう少しルドルフがどういう心境なのか、苦悩しているのか、というのがわかったら、もっと楽しかったのになあ。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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