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2017 · 01 · 27 (Fri) 21:45

□『ドクター・ストレンジ』

『ドクター・ストレンジ』"Doctor Strange" 2016(1/27公開)
 天才外科医として名声を思うままにするドクター・スティーヴン・ストレンジは、自動車事故で両手の機能を失ってしまう。傲慢で自分の才能に絶対の自信を持っていた彼は、両手を元通りにするため、高度な医療や手術に頼るが、まったくの無駄に終わる。そんな時、ネパールのカトマンズに不思議な治療施設があると聞きつけ、そこを訪ねたストレンジは、謎多き女性エンシェント・ワンと出会う。(監督:スコット・デリクソン 出演:ベネディクト・カンバーバッチ、キウェテル・イジョフォー、レイチェル・マクアダムス、マッツ・ミケルセン、ティルダ・スウィントン、他)

 初日にIMAXで見てきました。ちょっと画面が暗かった……。もうー、3Dいいかげん滅びないかな、と思います(´д`;)。
 それはさておき、面白かったです。魔術でぐるんぐるんになるシーンはもう何がなんだかわかりませんが(´∀ `;)、大変なことが起こっているのはよくわかる。
 他のマーベル・シネマティック・ユニバースのキャラはほぼ出てこないので、マーベル映画を見たことなくても楽しめます。知っているとちょいちょいはさまる小ネタがまた楽しいんだけどね。
 ドクター・ストレンジ、天才外科医で金持ちで、ロマンスのヒーローみたいに調子づいてて全然人の言うこと聞かない人だったんだけど、その実態は「失敗を避けてきたからこその成功者」であるとわかってくる。患者を選り好みする傲慢さは、欧米型ヘタレ男の典型です。
 そんな男が事故(運転中のスマホはダメ!)で自分の拠り所だった天才的な手術ができる両手の機能を失い、どん底に落ちる。謎の治療施設カマー・タージに入って、エンシェント・ワンから魔術の修行を受けている間も、メソメソと弱音を吐く。が、元々の能力が高いというのもお約束です。そして、エンシェント・ワンの元弟子で、今は闇の力“ドルマムゥ”を崇拝するカエシリウスとの戦いに巻き込まれていく。
 このカエシリウスが、ショッカーに操られた人みたいな形相のマッツ・ミケルセンなんですけど、この“北欧の至宝”と言われている彼の使い方が割と無駄遣いだな、と思いました。だって、せっかく出てるのに最後カンバーバッチと直接対決なしってどういうことよ(゚Д゚)! そこはマッツとの派手な対決がお約束でしょ!
 とここまで考えて、これはあれか、本社に直接文句を言いに行ったようなものか、と思い立つ。
 闇の力”ドルマムゥ”は地球を支配したいのです。どこかの土地を地上げしたい会社の社長みたいなもので、マッツはその土地(地球)を強引に地上げにかかる支店長みたいなもの。エンシェント・ワンは、その地上げに対し、長年毒をもって毒を制していたのです。
 そうはいっても彼女は、支店長相手の対症療法のみだったと思われる。ドクター・ストレンジはさすが医師だけあって、原因療法に着手。元を断つため支店長なんかすっ飛ばして社長に直談判。あっちのお家芸でもある時間を支配する魔術──時間ループを自ら使う。某魔法少女(←ネタバレOKの方のみクリック)並のしつこさで、社長が「もう勘弁してください(´;ω;`)」と音を上げるまでループし続け、見事地上げから撤退させるのに成功。
 支店長のマッツは「お前に言ってもしゃあないから本社に文句のメール送ったで」みたいな感じでズバコーンと飛ばされる。無駄遣い! そんな小物扱いなんて、無駄遣い以外の何物でもない(´Д`;)!
 結局、ドクター・ストレンジの最大の武器は魔術じゃなくて「しつこさ」というのが面白い。まあ、魔術で真っ向勝負したら負けるから、ということで「取引」という言葉を使っていたけど、交渉上手──なのか(´ω`;)?
 次作ではもっとマントが活躍するのに期待。涙拭いてあげたりして、優しい、かわいい。

['20/6/21追記]
 ちょっと読み直したら、「失敗を避けてきたからこその成功者」であったストレンジが、何度もやり直しができるとなったことで「無敵の精神力(別名しつこさ)」を手に入れたんだな、と気づきました。やり直しがきくにしても、何度も失敗すれば普通メンタル削られるとは思うのですが、彼にとっては「失敗する」というのが唯一な上致命的な恐怖であったのかもしれない。それがなくなったことでヒーローとして生まれ変わった、というお話だったのかもねー。
(★★★★)
[Tag] * ★★★★

最終更新日 : 2020-06-21

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