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□『八つ墓村』(1977年版)

□『八つ墓村』1977(Hulu)
 母を幼い頃に亡くし、養父家族とも疎遠になった寺田辰弥は、ある日、岡山の旧家・多治見家の跡取りだとわかる。ところが彼を迎えに来た母の父が突然倒れ、亡くなってしまう。辰弥は、多治見家の双子の大伯母から依頼を受けた未亡人の森美也子に連れられ、八つ墓村を訪れる。多治見家には異母兄姉がおり、兄の久弥は床に臥せっていた。その久弥が、辰弥の目の前で祖父と同じように亡くなる。(監督:野村芳太郎 出演:渥美清、萩原健一、小川真由美、山崎努、山本陽子、市原悦子、中野良子、他)



 原作を読み返し、仕事も一段落したので、さっそく『八つ墓村』の映画を見ましたー。
 あらすじ、微妙に違いますが(舞台は1977年当時になっている)、冒頭は概ね原作と同じです。
 戦国時代、財宝を抱えて逃げ延びた落ち武者たち8人を、村人たちが報奨金目当てで皆殺しした。そののち、若大将の「祟ってやる」という言葉のとおり凶事が続いたため、8人を手厚く葬ったことから、この地は「八つ墓村」と呼ばれるようになる。落ち武者たちを殺害した首謀者の子孫であるのが辰弥の父・多治見要蔵。辰弥の母・鶴子は要蔵にむりやり犯され、仕方なく妾になっていた女性。赤ん坊の辰弥に焼きごてを当てるなど残虐な要蔵から鶴子が逃げたことから、彼は狂い、村人を32人殺して山に逃げ込み、以来行方不明になる。
 ──という大前提もほぼ同じですが(宝探し要素はなし。田治見→多治見に変更)、ここからがだいぶ違う。最終的にはミステリというより、伝奇ものになっています。
 公開当時、ものすごく話題になっていたけど(濃茶の尼のセリフ『祟りじゃ〜!』は流行語になった)、私は見なかった。横溝正史好きなのにどうしてかしら、と考えたら、金田一耕助が渥美清だったからかなあ、と思い当たる。あの当時、渥美清といえば「寅さん」であり、前年の『犬神家の一族』で石坂浩二が金田一耕助を演っていたせいもあって、中学生の私にはちょっとイメージが合わなかったんだろうね。金田一をいろいろな人が演って、渥美清も亡くなって「寅さん」のイメージが薄れた今見ると、原作の金田一にあるようなひょうひょうとしながら人のふところに入って様々なことを聞き出す部分がけっこう合っていると感じました。渥美清がコロンボみたいな探偵とか刑事とか演ったら、ものすごく面白そう、と思った。なぜなら、初登場のシーンがコロンボにもありそうなシチュエーションだったから! ニコニコしながら犯人をグイグイ追い詰めるとか鬼気迫りそう。演ってほしかったなあ。
 野村芳太郎は、私にとっては『震える舌』と『砂の器』の監督です。BSかなんかで『八つ墓村』が放送されてて、ちょうど要蔵が狂って村人を惨殺するシーンをたまたま見たら、超怖くてねえ(´Д`;)。さすが和製最強ホラー『震える舌』の監督だぜ! と思い、今回も怖いのかなとワクテカしていたのですが、そんなんでもなかったな……。BSでちょっと見たシーンも、怖いことは怖いんだけど、それよりひどいというか、なんだか不快感すら湧いてくる。村人が落ち武者たちを殺した昔の回想シーンもかなりえげつない。ここら辺の湿度高いねっとりとした残虐描写はさすがだと思いましたけど、あまりいい気持ちはしないよねえ(´・ω・`)。
 だから結局、ミステリでなく伝奇もの──つまり、「本当の祟り」で多治見家が滅ぶ、という話にしたのかなあ。確かに、これだけ残虐の限りを尽くした奴らなんだから、どうにかしないと殺された人が報われないよ、とは思ってしまいそう。映像で見せられると強烈なんですよ(-ω-;)。小説だと「歴史」として読んでしまうので、過去のことと思えるんだけどねえ。
 残念なのは、原作だと重要な役柄の典子がまるっとカットされていたところ。かなり改変しているので仕方ないんだけど。原作にある要素を削って削って簡素化していても上映時間が二時間半ですから、ちゃんと原作どおり作ったら──何時間になるんですかね。脚本が名脚本家で知られている(でも『幻の湖』という珍作も作った)橋本忍なんですが、まとめるの大変だったんだろうか……。
 双子の大伯母、小竹さんを市原悦子を演っていた。この間『君の名は。』でおばあちゃんの声を演ってたのに! 1977年当時は41歳か──。手が全然老けてないはずだよ(´ω`;)。ということは、今年81歳なんですね!
 その他にもアラフィフにはなじみある俳優さんがたくさん出ていて、そういう点でも楽しめました。小川真由美の美也子は妖艶で、中野良子はやっぱりかわいかった。ショーケン(萩原健一)の印象は、主人公なのに薄めだな(´∀ `;)。山崎努の狂った要蔵の方が怖かった。春代さんはやっぱりかわいそう……。
 と、いろいろ楽しめる点はあるんですが、そういうところもあって映画自体の没頭度は低いかなあ、と思いました。笑えるツッコミどころもけっこうあり。原作が面白すぎるからなあ。
(★★★☆)
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genre : 映画

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    三原 白

    Author:三原 白
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