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●『あなたが見えなくて』ダイアナ・パーマー

●『あなたが見えなくて』ダイアナ・パーマー(ランダムハウス講談社)
 1900年、アトランタ。クレアはまだ普及途中の自動車を叔父とともに整備する毎日を送っていたが、突然叔父は亡くなり、天涯孤独の身となる。それを見かねた銀行の副頭取で叔父の友人だったジョンが、クレアに結婚を申し込む。だがそれは、彼と元婚約者とのスキャンダルを隠すための便宜結婚だった──。("Magnolia" by Diana Palmer, 1997)
(※2017年2月、ハーレクインにて再刊)



 今月、ハーレクインから再刊されたのを知ったので、旧版を再読しました。
 ヒストリカルだけど、ダイアナ王道の物語です。ヒロインのクレアは純真で明るく、美人ではないけど自立心にあふれる女性。自動車整備だけでなく、服のデザインと洋裁の才能もある。自分の服を宣伝できるくらいスタイルがいい、というのがポイント高いね! 骨格はどうにもなりませんからね(´・ω・`)。
 そしてヒーローのジョンは、まさにダイアナヒーローの典型です。「鬼畜傲慢」とダイアナヒーローはよく言われておりましたが、まあつまり、男性的な魅力にあふれてはいるが頭お花畑のダメ男です(´ω`;)。婚約してたのに、彼が戦争へ行っている間に銀行頭取の妻におさまったダイアン(美人)に今も未練たらたら。婚約していた時、周りのみんなが「あの女は金目当てだ」と見抜いていたのに、本人だけ気づかない。そして現在はダイアンから粉かけられて、犬のようにしっぽ振って二人きりで会ったのが街の噂になっていることにやっぱり気づかない、という超ボンクラです(´д`;)。
 ダイアナのヒーローは、なぜ昔の女(ほとんど性悪。亡くなっている場合はいい人だったりもする)をうじうじ想い続けている奴が多いのか。この作品では、

「彼女は、自分の失ったもの、手に入れがたいものだからこそ、魅力的に見えただけなのだろうか?」

 と考えているシーンがある。それってつまり、「手に入れられなかった自分」が許せないということであり、自分の選んだものに間違いはない、自分がダメなものを選ぶなんてありえない、というやはり傲慢な気持ちの表れなんだろうなあ。
 基準をそのダメ女に置いているので、ヒロインをきちんと評価できないというか、なんか妙にダメ女に義理立てしてひどい言葉を浴びせたりするのです(´ω`;)。ヒロインたちは、ヒーローたちの根の良い部分を信じて、「いつか目を覚ましてくれるはず」と思いながら、彼らに無垢の愛を捧げる。──というのもダイアナの王道なわけです。
 しかしハーレなんかだと短くて、たいていヒーローの後悔や反省が足りないまま終わるんだよね。それがちょっと欲求不満になったりするんだけど、この作品は長めなのでかなりそういう部分にも枚数を割いている! 性悪な元婚約者にもちゃんと制裁というか、自分たちに近寄れないよう恩を売って追い出す。
 まあ、それでもなかなか後悔しないんですけどね。便宜結婚したのに、クレアが自分を愛しているのは知っているわけです。そして、だんだんイチャイチャしたくなってくる。なのでしようと思ったら、彼女に、

「わたしはダイアンじゃないわ」

 と言われて怒る。そしてこんなことを思う。

「たったいまどれほど自分を侮辱したか、クレアはわかっているのだろうか?」

(゚Д゚)ハァ? 前に自分が何を言ったか憶えてないんか? お前、結婚する時「ぼくはダイアンを愛している」って言ってたやんけ! だったらこういうブーメラン受けても当然だろ!? なのに、「ぼくを愛しているんだから、彼女の方が妥協してくれるだろう」みたいな態度をさらに取るわけです。
 お前それ、「宝くじ当たんないかな~、買ってないけど!」みたいなもんだぞ(゚д゚)!

 それら王道のイライラをたっぷり入れたのちにやっと後悔するんで、溜飲が下がります。
 ラストにダイアンがなかなかの名言を吐いたので、載せておきます。ジョンとの別れのシーン、「幸せにね」と言われて、

「わたしは幸せになるタイプじゃないわ。でも満足はできるでしょうよ」

 ……あ、けっこう自己分析はできてたんだ、と(´ω`;)。このセリフを読んだら、結局ジョンだけが自分を見失いまくってた話なんだな、と思いました。まあ、彼もいろいろ苦労した人なんですが──けど、ダイアンと婚約してたのはまだお坊ちゃんの頃だし……。
 やはりダイアナのロマンスは、ダメ男が真人間になる過程というのが大きな裏テーマ(?)なんだな、と思わずにはいられないのでしたー。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル ランダムハウス講談社 ★★★★

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    Author:三原 白
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