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●『灰かぶりの令嬢』カーラ・ケリー

●『灰かぶりの令嬢』カーラ・ケリー(MIRA文庫)
 ラトリフ子爵の非摘出子として生まれたナナが、父親に入れられた女学校から故郷プリマスへ戻って、5年。祖母とともに切り盛りする宿屋マルベリー亭は破綻寸前だった。そんな時、艦の修理のため軍港プリマスを訪れたオリヴァー・ワージー艦長がマルベリー亭に宿を取る。ひどく疲れ衰弱していた彼を、ナナは献身的に看病する。だが、彼がここを訪れたのにはある理由があった。("Marrying The Captain" by Carla kelly, 2009)



 J・R・ウォードをほっぽって、カーラ・ケリーのプチ祭り開催中なのです。
 読後感よく安心して読める文庫ロマンス作家の一人。アン・グレイシー、メアリ・バログ、ロレイン・ヒース──は、ちょっと痛いかしら。リサ・クレイパスもいいんだけど、ワタシ的にはちとズレる。
 それはさておき、これも、今読んでるのも船乗り系のものだわ。前に読んだ『拾われた1ペニーの花嫁』(とてもいい!)も元海軍。『ふたたび、恋が訪れて』(すごくいい!)は今本が手元にないのでよくわからないけど、ヒーローは元軍人だね。ほとんど軍人か元軍人がヒーローということで、まるでヒストリカルのリサ・マリー・ライスのようです(違うか)。
 今回のヒーロー、オリヴァー・ワージー艦長は、上官であるラトリフ子爵に頼まれて、ヒロイン・ナナの様子を見に行くついでにマルベリー亭へ泊まる。少し後ろめたいけど、子爵のオフィスで見た細密画で惚れてしまったナナに優しく看病してもらい、宿の人々の善良さに好感を持つ。子爵は何か思惑があって「見に行ってこい」と言ったんだな、と察し、報告の手紙には当たり障りのないことを書いて出す。
 ナナは、非摘出子だし持参金などあるわけもなく、幸せな結婚は無理とあきらめ、毎日いっしょうけんめい働いている。オリヴァーから好意を寄せられても、それと結婚を結びつけないようにと思う。けなげで泣ける……。
 危険な職業についているから結婚はしない、と決めていたオリヴァーが信念を曲げてナナと結婚した後半、このままほのぼのと終わるのかな、と思ったら、けっこう大きく動きます。捕虜となったオリヴァーを救うため、ナナが奮闘する。腹立つ子爵をやりこめるところが楽しい。しかしちょっとしか出てこないのに、やたらムカつく印象を残すんだよな、こいつ。キャラの造形がうますぎる(-ω-;)。
 カーラ・ケリーが少し地味に感じるのは、ヒーローが軍人(船乗り)系の無骨な人だから、というのがあるんだろうね。ヒロインも華やかな令嬢ではなく、庶民に近い貧乏な女性ばかり。都会のロンドンではなく、地方が舞台。カップルの年齢も高め(この作品は比較的若いけど)。少しどころか地味の極みのような設定だな(´ω`;)。それをとても丁寧に描いているので、私のようなスレた読者には一服の清涼剤のようです。バターとクリームたっぷりのケーキではなく、口当たりのいいクッキーをサクサクカリカリ食べる感じ。ついついヒョイパクしちゃうみたいな。そういえば、今読んでいるのにすごくおいしそうなビスケットが出てくるんだよねー。そんな読み心地のロマンスでした。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル MIRA文庫 ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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