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2017 · 04 · 12 (Wed) 14:52

▲『漆黒に包まれる恋人』J・R・ウォード

▲『漆黒に包まれる恋人』J・R・ウォード(二見文庫)
 両親に愛されず、だれの期待にも応えられなかったと悩むフュアリーは、その自己嫌悪から逃れるために薬物に溺れ、あげく〈兄弟団〉から外される羽目に。〈プライメール〉としての役割も果たせず、そのことで精神的に追い詰められていく。〈巫女〉であるコーミアは彼に手を差し伸べようとするが……。いっぽう敵対する殲滅者“レッサー”との戦闘では、悪の超越的存在である〈オメガ〉、その息子が現れ、危機が迫る──。
・〈黒き剣兄弟団(ブラック・ダガー・ブラザーフッド)〉シリーズ第6作

 今回のあらすじは、裏表紙から転載しました。うまく書ける自信がなくて(´・ω・`)。
 なぜかというと、かなり混沌としている作品なのですよね。一応このあらすじでも「ヒーロー」のフュアリーと「ヒロイン」のコーミアというような書き方をしていますが、実際のところロマンスは全然中心じゃない。いくつかのエピソードで同時進行的に構成されていて、二人のロマンスはその一つに過ぎない。はっきり言ってオマケです。
 ヒーローにしてはフュアリーが痛すぎるんだよね。すごく悩んで傷ついているから、同じところをぐるぐる回り続けるのですよ。コーミアはそれをただひたすら支えるだけ。
 じゃあ、何が中心なのか、というと、おそらく戦士の訓練生ジョン・マシューとそのライバルというか、今回完全に敵対する立場となったラッシュのエピソードになるんじゃないかな。
 帯にこうあります。

「これは終わりなのか、始まりなのか──シリーズ中最大の問題作登場!」

 つまりこの作品は、新章への橋渡しなのですよね。ん? 前にもそういうのがあったな、と思い出す。シリーズ第4作『闇を照らす恋人』でもそう思ったなあ。その頃からもう、ロマンス色が薄れていますね。
 ロマンスと思って読むと期待はずれになる、というのは否めません。ただ、読み始めるとサクサク面白く進むんだよね。たくさんのエピソード(ほんとにたくさん(゚д゚)!)が錯綜していて、めっちゃ長い(880ページ!)にもかかわらず、小説としてはすごく読みやすい。ただ、まったく終わっていないというか、すべて次作へ持ち越しで終わるから、満足感は乏しい。誰かに感情移入する、という読み方もしにくいし、この作品単独で楽しめるかというと、それも難しいだろう。
 評価に悩む作品だ(´д`;)。
 シリーズを読んでいて、なおかつこの世界観が好きで、ロマンスなくても別にいいという人なら楽しめるでしょう(なんだか本末転倒)。私は楽しめたけど、おすすめはしにくいと感じたので、このくらいでしょうかね。
(★★★☆)

最終更新日 : 2017-04-12

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