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2017 · 05 · 25 (Thu) 09:08

□『高慢と偏見とゾンビ』

『高慢と偏見とゾンビ』"Pride and Prejudice and Zombies" 2016(Blu-ray)
 18世紀末の英国。ベネット家の五人姉妹は、謎の疫病から発生したゾンビを退治するため、日夜腕を磨いていた。が、母親の関心事は娘たちの結婚のことばかり。折しも近所のネザーフィールド屋敷に若い財産持ちの青年ビングリーが引っ越してくる。次女エリザベスは、ビングリーの友人であるダーシー大佐の高慢さに驚くが、彼は彼女の戦いぶりに興味を持つ。(監督:バー・スティアーズ 出演:リリー・ジェームズ、サム・ライリー、ジャック・ヒューストン、ベラ・ヒースコート、他)

 ジェーン・オースティンの『高慢と偏見』(著作権切れ)にゾンビ要素を加えてマッシュアップしたいわゆる「二次創作」である『高慢と偏見とゾンビ』を映画化したものです。
 見終わってすぐにつぶやいた。

「微妙(´д`;)……」

 ゾンビもの好きの家族と一緒に見ていたのですが、家族はこう言ってました。

「カツカレーかと思って食べたら、ハムカツだった気分……」

「ハムカツ」の部分が、ゾンビ成分だと思われます。はっきり言って少ない。私ももっとグロかったり、アクションシーンがいっぱいあったりするのかと思ったけど、そうでもなかった。
 かと言って──というか、その他の部分、つまり『高慢と偏見』の部分はどうなのか、というと、これまたうーん……「微妙」としか言いようのないもので……。そこ楽しみたいのなら、普通に『高慢と偏見』の映画やドラマもあるし(見たことないんですけどね(´∀ `;))。
 小説『高慢と偏見とゾンビ』(「原作」と書くと混乱するので)は、九割『高慢と偏見』で一割がゾンビ、というもので、ジェーン・オースティンの文章や章立てをそのまま使い、時折ゾンビをはさむ、というあざとい労力少なめなアイデアなんですよね。はっきり言って売りはそのアイデアしかなく、出オチ以外の何ものでもない。「よく思いついたな」というところが評価のポイントなんですよね。
 それでも売れたから映画になったんだろうけど……映画を見てわかった。小説が売れたのは、ジェーン・オースティンの文章がそのままだったからなんだろうな、と。たとえストーリーは同じでも、その要素を映画で表現するのは無理というか、方向性違うよね(´ω`;)。本来は合わないはずなんだもの。そうなると、「古典ロマンスにむりやりゾンビを混ぜました」みたいな展開になるのは仕方ない。
 ていうか小説の方だって当然剥離してたさ! でも、そこを楽しんでみんな読んでいたはず。それを「剥離してる!」と文句言うのは野暮ってものだったのです。
 でも、この映画ではそういう楽しみ方は出来なかった。結局ロマンスもゾンビも中途半端で、いい塩梅を最後までつかめないまま終わったという感じです。これが三次創作ということなのか……日本語を英語に翻訳して、さらに日本語に直したような座りの悪さのある映画でした。
 それから今回映画見て、わかった。私が『高慢と偏見』というか、ダーシーをあんまり好きじゃない理由。高慢さと偏見よりも、親友のためとはいえ、確かめもしないことを吹き込んで人の恋路を邪魔するという、その頭悪さに引いてしまったんだ(゚д゚)! と。のちにそういう心持ちがエリザベスのおかげで改まっても、冒頭で引いた気持ちは戻らなかったんですよね〜(溜飲が下がらなかった、と言うことだけど)。ハーレのアホヒーローにも脈々と引き継がれているキャラだ。ダーシーほど引かせないよう、エンタメ的な高慢さに抑えられてるんだな、と思いましたよ。
(★★☆)
[Tag] * ★★☆

最終更新日 : 2017-05-25

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