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●『公爵のルールを破るのは』マギー・フェントン

●『公爵のルールを破るのは』マギー・フェントン(ライムブックス)
 ヨークシャーの領地をハニーウェル家に長年貸していたモントフォード公爵は、領地管理を継ぐべき男子が現在のハニーウェル家にいないことを知らされる。調査に行った秘書が帰ってこず、仕方なく公爵本人が赴く。領地とハニーウェル・エールの醸造を管理していたのは、長女のアストリッドだった。彼女はズボンを履いて馬にまたがり、公爵に対しても堂々と逆らう「おてんば娘」だった。("The Duke's Holiday" by Maggie Fenton, 2015)



 ヒロインのアストリッドは26歳、ヒーローのモントフォードは34歳なんですけど、まるで十代男女の学園ラブコメみたいでした。
 都会からやってきた成績優秀、容姿端麗、家は大金持ちというクールな転校生が、学校の先生生徒含めた実質的なトップである田舎の女子生徒に調子を狂わされ、なりふりかまわぬ口ゲンカを二人でくり広げる。そして村の変な祭りに参加する羽目になり、ボロボロのヘロヘロになりながら一番男になったと思ったら、村のDQNに女子生徒がさらわれ、なんとか取り戻したと思ったら都会に置いてきた彼女が村へやってきて──というお話です。なんじゃこりゃ(´∀ `;)。
 ヒーローヒロインともに割と苦労人です。モントフォードは4歳の時に両親を目の前で追い剥ぎに殺され、血と馬車にトラウマを持ったまま大きくなる。公爵としての義務感だけがよすがのような人。アストリッドは、両親亡きあと妹たちが路頭に迷わないように、家や醸造所を取り上げられないようにと一人奮闘してきた人。二人とも自分を殺して生活してきたような人なのですね。
 そういう二人が出会って恋に落ちるけど、まったく慣れない感情に翻弄され、イライラする気持ちを互いにぶつけあう。本来私はこういう素直じゃない男女のラブコメってそんなに好きじゃないのよね。こういう場合のケンカって、そういうシチュエーションを楽しめなかったら基本不毛というか、不毛じゃなくても回りくどいことが多いじゃないですか。が、この二人にはそれぞれの切ない背景が適度に見え隠れして、そんなにうんざりしなかった。
「ヒロインが嘘をついている」話でもあるんだけど、バレバレだったし。さらに言えばやはり「ボンクラ公爵」の話でもあるんだけど、田舎に来なかったらボンクラなところは出てこなかったという人だったので、そのボンクラさが人間的な魅力になっていく展開が面白かった。
 村の祭りで本当にボロボロのダメダメになって、そのあとも何度も無様なところをさらすんだけど、それでもヒロインは好きでいてくれるんだから、よかったね(´∀ `)というお話です。ていうか、無様でもがんばるところがまたよかったんだろうね。
(★★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル ライムブックス ★★★★

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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