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2009 · 06 · 03 (Wed) 23:25

●『恋におちた放蕩貴族』パトリシア・ワデル

●『恋におちた放蕩貴族』パトリシア・ワデル(オーロラブックス)
 若い頃は放蕩三昧だったウォルサム侯爵マーシャルも、最近は社交界にデビューした妹のつきそいばかり。結婚はしたくないが心休まる愛人が欲しい、と思っていた時、お針子のイヴリンに出会う。盗みの嫌疑をかけられて途方に暮れていた彼女に救いの手を差し伸べ、愛人になってほしいと口説き始める。("He Said Yes" by Patricia Waddell,2003)
・〈紳士クラブ〉シリーズ第1作

 王道! 王道っていうか、ベタ!? タイトルもそのまんまだし。
 いやー、でもこんな奇をてらわないベタなものを読んだのは久しぶりな気がする……。とてもよかったです。オーソドックスなものは実力がわかりやすいよね。
 ヒーローに自覚がないとイライラするものなのですが、このヒーローはほんとに「ない」だけであって、態度はバレバレ。会って2時間でもう「俺の嫁に何すんだ(゚Д゚)ゴルァ!!」状態。十歳の妹にまで見抜かれる始末。自分に変な言い訳もしません。ズルくないんだよね。
 身分違いのヒロインは、一縷の希望を持ってヒーローの一夏の恋人(愛人ではなく)になるんだけど、たとえ報われなくてもこの思い出があれば生きていける、と思うところが切ないです。切ないけど幸せだと思っちゃったりするのも、自覚のないヒーローがヒロインをメロメロに溺愛しているからこそ。「愛人になって」と言う言葉の裏には「ずっと一緒にいたい」という気持ちしかないという、ある意味すごく素直なヒーローでした。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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