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2017 · 08 · 14 (Mon) 08:40

◆『月夜の魔法』エマ・ダーシー

◆『月夜の魔法』エマ・ダーシー(ハーレクイン)
 キャサリンは、妹のすすめでブラインドデートに赴く。相手は妹の恋人の友人、ザック・フリーマンだ。映画の特殊効果業界のトップを行く彼との出会いは衝撃的で、キャサリンは誘われるまま一夜をともにする。一夜だけだとわかっていたし、もう会うこともない、と思っていたが、九ヶ月後、妹の結婚式で再会を果たす。("The Blind-Date Bride" by Emma Darcy, 2003)

『愛の岐路』のコメント欄でおすすめいただいた作品です。かなさま、ありがとうございます!
 プレイボーイのヒーローが運命の人に出会っているのにそれに気づかず、ヒロインを無意識に傷つける話、というのは定番であるけれど、こういう直球のものは久しぶりに読んだ気がしました。

「もう一回会えば、きっと飽きるに違いない」

 みたいなセリフ、私も聞き飽きた(゚Д゚)! と思っていたけど、ハーレではそんなにあったかな──と戸惑う。昔よく読んだネットの恋愛小説やティーンズラブもののに多かったかな……。割とこういうセリフを言いつつ、ズルズルつきあう話になっちゃうわけです。
 ただこの作品では、ヒーローのザックはロンドン、ヒロインのキャサリンはシドニーと離れているので、現実的に会う機会が少ない。すごく離れていて、特に連絡もしてなくて、もちろん会ってもいないのにその人のことを考えてしまうのって、絶対に恋だと思うけど、ザックはそれを認めない。たいてい距離を置けば忘れてしまうものですよ。鈍感というより、仕事に夢中でそれ以外に目をくれたくない頑なな人、という印象。
 二度目に会った時に妊娠してしまったキャサリンは、「アカデミー賞授賞式に一緒に出てほしい」と言うザックの頼みのため、ロサンゼルスへやってくるんだけど、そこで流産してしまう。子供を亡くして憔悴するキャサリンを必死になぐさめようとするザックや、彼の心境の変化、キャサリンのあきらめなど、ここら辺の展開は切なくて泣ける。とてもベタなんだけど、エマ・ダーシーの名人技がまた炸裂しています。
 しかし、どうしても気になるところが一つ。

「キャサリンが流産しなかったらどうなっていたのか」

 おそらく、彼女は妊娠したことを普通にザックに告げたと思うし、そこからまたいろいろ葛藤があって、同じようなラストにたどりついたとは思うのですが、なんかすんなりとはわかってくれないんじゃないか、みたいについ考えてしまったんですよね。「我が子の死」という大きな出来事がないと、この男はわからなかったんじゃないのか、という疑念が、私には残ってしまった。
 よきところに収まったから別にいいとはわかっているのですが、割とそういうところは気にしてしまう私……。だいたいキャサリンが流産した直後のプロポーズもダメダメだったしな……あれは、「妊娠した」と言われた時におそらく言うようなことですよ。うーん……どっちにしろ変わらないかな、この男は。流産しなければ、適当なプロポーズをキャサリンが断って、それに悶々として、ようやく自覚する、という感じか……同じだな、結局(´ω`;)。
 病院のシーンがけっこう泣けるので、錯覚してしまった。無駄にモヤモヤしちゃった。残念(´・ω・`)。
(★★★☆)

最終更新日 : 2017-08-14

Comments







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ありがとうございます🎵

白さま アップ、ありがとうございます。
感想を読んでいて思い出したのですが、同じエマダーシの作品を「六番目の花嫁」と、状況似てる気がしてきたのですが。遠距離、結婚式、妊娠と。
こちらは、流産せずに、スッキリしない状況のまま結婚生活がスタートして、生活していく中で、徐々に&ハッと気づいた。って、内容だった気がします。
読んだのが、大分前なのですが内容的には、比べると、あちらの方が、私はスッキリした気がします。
でも、結婚前に自覚して欲しいし…そこを取ると、こちらに軍配か、悩むところですねー ( ̄▽ ̄;) 
同じ著者の似た作品、文句言いつつ、比べるのも割と悪く無いものかもしれませんね(*´▽`*)
2017-08-15-22:50

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訂正

タイトル「六人目の花嫁」でしたね。
すいません😣💦⤵訂正させて下さい。
2017-08-16-07:39

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六人目の花嫁

>かなさま
 コメント&おすすめありがとうございます!
『六人目の花嫁』の感想記事を読み直したら(コメントにはリンク貼れないのか(´・ω・`)。本タイトルか作者カテゴリから探してください)、あらすじ、ほんとによく似てましたね。私ももうだいぶ前にDSで読んだんですけど。
 流産せずに結婚したパターンがこっち、ということで──どちらも手堅くまとめた感じですね。エマ・ダーシーってうますぎてピンとこない時があって、そこが玉に瑕だな、と毎度思ってしまいます。
2017-08-16-09:36

三原 白 http://miharashiro.blog5.fc2.com/URL [ 返信 * 編集 ]