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2009 · 06 · 10 (Wed) 15:19

▽『百万ドルをとり返せ!』ジェフリー・アーチャー

▽『百万ドルをとり返せ!』ジェフリー・アーチャー(新潮文庫)
 老獪な詐欺師メトカーフの策略にひっかかり、油田の幽霊会社株に百万ドル分つぎこみ、一文無しになった4人の男たち。彼らは各々の専門技能を駆使し、メトカーフから「1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく」金を巻き上げる計画を立てる。("Not A Penny More,Not A Penny Less" by Jeffrey Archer,1976)

 翻訳家の永井淳さんが6/4にお亡くなりになってしまったので、哀悼の意をこめて、ジェフリー・アーチャーの『百万ドルをとり返せ!』を再読。アーチャーの作品、そして『キャリー』や『クージョ』などスティーヴン・キングの初期作品でたくさん楽しませていただきました。ご冥福をお祈りいたします。

『大統領に知らせますか?』の時は、ほとんど内容を憶えていなかったのですが、これはけっこう憶えていました。ここら辺、最初に読んだ時の驚きを再読では味わえないという、コン・ゲーム(信用詐欺)小説の宿命か、とも思いますが、それを差し引いてもやっぱり面白いです。最後の花束のところ、やっぱ好きだー。
 大物詐欺師にだまされた3人のプロフェッショナル(数学者、医師、画商)と、1人ののほほんとした貴族のぼんぼん(ただし演技はプロ級)。こんな事件がなければ絶対に出会わなかった4人のキャラのバランスが絶妙です。自分の頭脳を目一杯使って一泡吹かせようとする3人のプロに対して、のほほん貴族のジェームズがほぼ運だけで乗り切っていくところがおかしい。影の主役メトカーフの存在感はもちろん、再読だからこそ楽しめる部分も多々あり。
「1ペニーも多くなく、1ペニーも少なくなく」(原題)
 という言葉は彼らの怒りの象徴ですが、作者アーチャー自身が同じような詐欺に合い、その腹いせにこの小説を書いたことを考えると、彼の怒りは凄まじいものだったんだろう、と思ったり(^^;)。しかし、それがなければ彼は小説なんか書かず、政治家だけで一生を終えたかもしれないよね。(まだ生きてるけどね!)
(★★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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