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2018 · 03 · 19 (Mon) 15:18

◆『銀色のスポットライト』ダイアナ・パーマー

◆『銀色のスポットライト』ダイアナ・パーマー(ハーレクイン)
 人気ロック歌手のアマンダは、ある事故がきっかけでステージで歌えなくなった。ワイオミングにある叔母の友人のコテージで静養することになるが、隣人の牧場主クインは女性嫌いらしく愛想もない。だかある日、彼の12歳の息子がコテージへやってくる。父親が病気になったと言うのだ。("Sutton's Way" by Diana Palmer, 1989)
・〈テキサスの恋〉シリーズ第4作

 今気づいたけど、短編『ポピーの幸せ』は関連作なのですね! バンドメンバーのハンクのお話。この作品にも出てきます。
 それから、やはり声が出なくなった歌手の話、ダイアナであったなあ、と思ったら『純真な歌姫』でした。これもこの作品のヒロイン・アマンダも純真な歌姫です。
 ヒーローのクインがけっこうかわいそうな人だった。息子は、実は妻が二股のまま結婚して生まれた子供。彼の本当の子供ではないのですが、妻は浮気相手と遊び回っている時に事故で死亡してしまい、以来一人で育てている。牧場が危機的状況になったりもして生活は苦しいけど、息子と家のことをやってくれる老人と三人でつましく暮らしている。
 かなり若くて何もわからないまま、托卵相手とした狙われてしまった、という人なのです。しかも結局白い結婚だったので、今回のヒーローとヒロインは両方純真なままです。
 ヒロインのアマンダも、子供時代は施設で育ち、今はロック歌手として売れているけれど、本当は暖かい家庭を築きたい、と思っている地道な人。停電をきっかけにクインの家に避難して、次第に惹かれていくが、彼は(無理もないけど)女性が嫌い、そしてロックも嫌いという人で、アマンダはなかなか本当の職業が打ち明けられない。
 後半、彼女がステージで歌っている姿を見たクインは、会うことを拒否して別れを切り出すのですが、

「まーたしょーもないプライドを傷つけられて怒ってるんかよ┐(´д`)┌ヤレヤレ」

 と思ったらそうではなかった。

「俺とは住む世界が違う(´・ω・`)」

 という理由でした。似たようなものかもしれないけど、怒りよりもかわいそうが先に立った。彼の自信を木っ端微塵にした前妻ヒドイ(# ゚Д゚)! と思いました。
 そのあと、アマンダの乗った飛行機が事故に遭い、クインが山中をスキーで探しに行くことに──というのがクライマックスです。
 私にしてはヒーローに同情的な展開になりましたが、クライマックスに緊張感が欠け、先が見え見えなのが惜しい。事故とか持ってくるのは、わかりやすいけど、「他にアイデアが浮かばなかった」みたいなやっつけ感も漂うんだよね……。
 あとまた全然関係ないけど、タイトルを読む時、無意識に「銀色のスポッ(しばらく息を止める)トライト」とやっているのに気づいて、「ああ、私って昭和な女ね(´ω`;)」と思いました。
(★★★)

最終更新日 : 2018-03-19

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2018-03-21-15:37

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