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◆『秘密』エイミー・ガーヴェイ

◆『秘密』エイミー・ガーヴェイ(ヴィレッジブックス)
 カメラマンのマッケンジーは、亡くなったおばの海辺の家を相続した。庭には朽ちかけた小屋がある。これを写真スタジオにしたらステキ! マッケンジーはさっそく地元の大工に修繕を依頼するが、やってきたのはとてつもなくセクシーなレオだった。だが彼は、写真を撮りたいと頼んでも頑なに拒否する。("Wish You Were Here" by Amy Garvey, 2006)
・アンソロジー『キス・キス・キス サプライズパーティの夜に』



 シチュエーション的にいい感じにならなきゃおかしいだろ、という展開で、もちろんそうなるわけですが、ヒーローのレオには秘密がある、というお話です。
 実は彼は、元ロックバンドのギタリストで、売れて調子に乗ってメンバーみんなで女や酒や薬に溺れ、あげく友人でもあったボーカルが薬物過剰摂取で亡くなる、という過去がある。今は薬もやめ、アルコール依存症の治療もし、大工として慎ましく生活している。だから、写真を撮られるのをいやがる。どこからその写真が漏れるかわからないからね。
 こういう状況で現在慎ましく生活できる、というのは相当の意志がないと無理なのではないか、と思います。依存症というのは、脳がその依存するものを摂取しているのが普通と認識してしまう病気なので、治療法は依存対象を断ち切って、二度と摂らないという方法が今のところ一番有効なのです。依存対象にまた手をつけると、すぐ症状がぶり返す。脳が元に戻ることはないみたいですね……。でも、依存対象に触れなければ、普通の生活はできます。
 ヒロインのマッケンジーは明るく真面目な人生を真っ当に歩いてきた女性なので、レオは自分のこの過去を話す勇気がなかなか持てない。克服したといっても、また昔のようになってしまうのでは、という不安があるのでしょう。依存症ももちろん病気ですから、結婚したりすれば、家族として支えてもらわなければならない時もあるかも、と思うと踏み切れない。
 ──という気持ちは汲み取れるのですが、物語として面白いか、というとなかなか難しい。HOTが売り物の短編ですから、限られた枚数の中でどうしても入れなきゃならないシーンはあるわけで──私としては、マッケンジーがレオの過去というか依存症という病気を知り、それを克服した彼がどれだけ努力をしたか、ということをもっと実感してほしかったかな、と思います。過去を知ってあっさり「私を信じて」で終わりなので、物足りない……というか、依存症がお話のアクセントとしてしか使われていないように読めてしまう。それにしてはハードな過去だし……。
 いい題材だけど、惜しいな、という感じでした。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ヴィレッジブックス ★★★ アンソロジー

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    プロフィール

    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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