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□『ヴェノム』

『ヴェノム』"Venom" 2018(11/2公開)
 最先端企業であるライフ財団の違法な実験を暴こうとしたジャーナリストのエディは、無茶な取材で仕事も婚約者も失う。半年後、宇宙から採取した生命体の実験をくり返していたライフ財団の科学者ドーラは、エディに接触し内部告発を行おうとする。研究所に入り込んだエディは、そこで謎の宇宙生物シンビオートに寄生され、“ヴェノム”という超人に変貌する。(監督:ルーベン・フライシャー 出演:トム・ハーディ、ミシェル・ウィリアムズ、リズ・アーメッド、スコット・ヘイズ、ジェニー・スレイト、他)



 すごく面白かった!
 監督、『ゾンビランド』の人なんだね。残酷さと笑いが共存しているところは、監督の手腕なのか。
 そうなんです、なんだか笑えるんだよね。主人公エディのキャラもあると思う。この人が、ほんとダメな人で。うーん、ダメとも言い切れないかな。優秀なところとダメなところが極端というか。ジャーナリストとしての正義感は強いけど、実際に暴力を目の当たりにすると身体が動かないという情けなさもある。弁護士の婚約者アニーのメールを盗み見るというダメダメな手段で強引に取材をして会社はクビ、ジャーナリストとしての仕事ももらえなくなってしまう。人間として中途半端なんだよね。でも、アニーから「憎めない人ね」と言われるように、魅力がないわけではない。
 要するに、ダメなところもいいところもある、すごく「普通の人」なのです。映画が終わった段階でも、これはあまり変わらない。ヒーローではない普通の人を魅力的に演じて面白いというのは、やはりエディ役トム・ハーディの力量もあるんでしょう。
 そんな彼が、ひょんなことから宇宙生物シンビオートに寄生され、ヴェノムになってしまう(シンビオートの名前がヴェノムってわけじゃなくて、二人が一体化した状態のことを言うらしいけど、以降は寄生したシンビオートの一人称として使用)。このヴェノムとの関係性がこの映画の肝です。
 ヴェノムはエディに言う。

「お前は負け犬、俺も負け犬だ」

 でも、エディはヴェノムに寄生されたことで、強大なパワーを手に入れる。そんなヴェノムが負け犬? って思うけど、後半彼より強力なシンビオートのライオットが現れる。確かにライオットに比べると身体も小さく、能力というか、威圧感とか威厳とか、そういうものが違うみたい。シンビオートの世界でも優劣というのは明確にあるようです。
 もう一つ、重要なセリフがある。

「俺たちは、ヴェノムだ」

 というもの。
 寄生先としてのエディがちょうどいいみたいなことを言うんだけど、これと「負け犬」発言を考えると、この『ヴェノム』という映画は、半人前の男二人が一体化してやっと一人前になって、やろうとしていたことができるようになる物語なんだな、と感じました。
 ヴェノムがどんなふうに負け犬だったのかは想像するしかないんだけど、やっぱりエディに似ていたのかな、と思ったりする。失敗と挫折ばかりで、いいこともなく、いじめられたりもしていたのかしら、などと考えたり。でも地球に来て、たまたま寄生した相手が「俺と似てる(゚Д゚)!」と思って気に入って、しかも地球だと自分程度の能力でも全然すごくて、さらにおいしそうな人間までいっぱいいる!
 なんか気分いいから、エディの手助けくらいしてもいいか〜大した手間でもないし〜宿主の彼が死んでも困るし〜(´∀ ` )、という感じでいろいろ面倒見てあげたりする。割と繊細なアドバイスもできる。地球に来て間もないくせに。
 この、半人前同士の相性がとてもよくて、反発したり戸惑ったり、打算もありつつも離れられない、という関係性は、私的にはかなりのツボであり、萌えなのです。ヴェノムの「あの人間、食べていい?」みたいなマイペースぶりに、エディが困りながらも次第に慣れていく様子がいい。「悪人なら食べていい」みたいに言えるところがいいよね。変に罪悪感とか嫌悪感を抱かない、割り切る黒さのあるキャラが好きなんですよ。もっと優しい人だと、ヴェノムは寄生できないのかもね〜。だからライオットは、違法な人体実験をくり返していたライフ財団のマジキチCEOに寄生できたのかもね〜。
 町山智浩さんがこの関係性を「『ど根性ガエル』だ」と称していたのがよくわかりました。ていうか、そう言われるとエディとヴェノムが頭よくない中学生と平面ガエルに見えてきてしまうど真ん中世代なんですけど(マンガじゃなくてアニメですけど)。でもなぜか、それくらいの半人前度合いなんだよね。互いの欠点を補う、とかそういういい感じのものでもなく。互いに似すぎていて噛み合わないところも勢いでうやむやにする、みたいな? 片方が暴走してても「あー、しょうがないなー」みたいにあきらめたり。
 割とポンコツ同士のバディものと言えないこともない。ポンコツ同士なのに面白いっていうのがツボなんだよなー。永井豪が描くデーモン族みたいなヴェノムのビジュアルも、トム・ハーディのバイクアクションとかもかっこいいんだけどねー。
(★★★★☆)
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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