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2018 · 12 · 19 (Wed) 15:24

◆『運命のエトランゼ』ヴァイオレット・ウィンズピア

◆『運命のエトランゼ』ヴァイオレット・ウィンズピア(ハーレクイン)
 イギリスの農場で育ったジョアンナは、奔放な妹と暮らすためにオーストラリアへやってきたが、妹はニュージーランドへ旅立ったあとだった。ジョアンナは家政婦を募集していたレインツリー・バレーの牧場に応募し、一人向かう。だが牧場のボスであるアダムは、彼女をひと目見るなり、「このレインツリーは役立たずのお嬢さんは雇わない」と言い放つ。("Raintree Valley" by Violet Winspear, 1971)

 この記事でリクエストいただきました。Sさま、ありがとうございます!
 あらすじを読むと、ハーレではおなじみのアメリカの牧場をなんとなく思い浮かべるかもしれませんが、それよりもスケールが大きい。ものすごい奥地も奥地、ジャングルの奥にある土地で、移動手段は飛行機、ご近所とも飛行機の距離という──田舎というより未開の地にある牧場(オーストラリアも羊って印象あるけど、ここは牛と馬)に一人やってきた華奢なヒロイン・ジョアンナに、ヒーローのアダムは「絶対にすぐ逃げ帰るに違いない」と決めつけて冷たい言葉を投げかけます。
「見た目で判断するな(゚Д゚)ゴルァ!!」と怒るジョアンナは、家政婦としていかんなく実力を発揮し、試用期間を見事クリアしますが、そうなってもアダムは何かにつけてつっかかってくる。
 レインツリー・バレーは美しくてとてもいいところなんだけど、ほとんどここから出ることもできない土地へ一人で行って、私はやっていけるんだろうか──と考えてしまった。厳しい環境の土地でやっていくために必要なことは、勤勉さとコミュニケーション能力だな、と思いましたよ。一人で住むならコミュニケーション能力はいらないかもしれないけど、勤勉であることはさらに上乗せされる。あと、丈夫な身体ね。ジョアンナは華奢だけど、体力もあるし頑健でもあるよう。
 私は……ダメだな(´ω`;)。すきあらばダラダラしたいし、コミュニケーション能力も低い。というより、何かにつけてめんどくさがりだからなあ。身体は割と丈夫ではあるけど、ポンコツで体力がないんだよ。働いていけば否が応でもつくんだろうけど、その前に倒れそう……。
 私のことは置いておくとして、見かけよりずっとタフなジョアンナは、アダムに惹かれていくんだけど、彼の友人夫婦の忘れ形見ボニーも彼を狙っているようで──アダムもまんざらでもなさそうな雰囲気、という王道のストーリー。期待を裏切らない。
 後半はレインツリーのジャングルを二人で野宿したりしながら歩くはめにおちいり、ハーレにしてはなかなかハードな展開になっていきます。
 お話自体はシンプルなんですが、読み終わると、この物語の主役はレインツリー・バレーなんだな、とわかります。ここの美しさや過酷さを読ませるために、お話はシンプルにしたのかもしれない。そこら辺は諸刃の剣になってしまうよなあ、という多少のもったいなさもあり。
(★★★☆)

最終更新日 : 2018-12-19

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2018-12-22-18:39

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三原 白

いえいえこちらこそありがとうございます

>Sさま
コメント&おすすめありがとうございました!
ヴァイオレット・ウィンズピアは、けっこう風景描写が美しいな、と今回思いました。レインツリー・バレーがどれだけすごいところかというのがよくわかりましたもの。シンブルなお話なのが多い(いや、そんなに読んでいませんが(´ω`;))のは、舞台の描写も含めてのロマンスを描きたかったのかな、と感じます。(けっこう風景描写がおざなりなのありますよね)
実際に行って、感慨を受けた場所を舞台にしていたのかもしれませんね。
何度も言ってますけど、また何かおすすめあったらぜひ(´∀ ` )!
2018-12-23-13:56

三原 白 http://miharashiro.blog5.fc2.com/URL [ 返信 * 編集 ]