2019 · 02 · 07 (Thu) 08:10 ✎
▼『禁じられた熱情』ローラ・リー(マグノリアロマンス)
6年前、サベラの夫ネイサンは、SEALsの任務中に命を落とした。以来、サベラは彼が残した自動車修理工場を切り盛りしてきた。だが最近、修理工として工場にやってきたノア・ブレイクにネイサンの面影を見る。一方、周辺地域では不穏な殺人事件が多発していた。("Wild Card" by Lora Leigh, 2008)
6年前、サベラの夫ネイサンは、SEALsの任務中に命を落とした。以来、サベラは彼が残した自動車修理工場を切り盛りしてきた。だが最近、修理工として工場にやってきたノア・ブレイクにネイサンの面影を見る。一方、周辺地域では不穏な殺人事件が多発していた。("Wild Card" by Lora Leigh, 2008)
これがそのー、時間のかかったロマンスです(´・ω・`)。
昨日の記事を書いたあと、「今日で読み切ってやる!」と思ってがんばって読みました。とある作品のコメントでおすすめというか話題に出たものです。タイトルにリンクするとその作品のネタバレになりそうなので、やめときます。Sさま、どうもありがとうございました! いやーっ、買って読むまで二年かかってるうぅ~(´Д`;)!
昨日の段階で半分で、そこまで何日かかっていたのか──何日というより、去年から読んでたのは確かだったなあ(遠い目……)。残り半分を一日で読んでしまった。全650ページだった(ちゃんとKindleにも書いてあった)……。
半分超えて、やっと市民軍の話が具体的に動き出すんですよ。そこまでがつらいというか、とにかくモヤモヤする。ヒーローのネイサンは任務中に敵側に捕まって拷問を受け、麻薬を打たれ続けてボロボロな状態で救出されます。妻のサベラは当時まだ若く(20歳)、こんなことを知らされて耐えられるとはとても思えない。そして、いつ回復するかわからない自分のこの無残な有様を彼女に知られることにプライドが許さず、関係者に「夫は死んだ」と伝えてくれ、と言ってしまいます。そしてもちろん、社会的にも亡くなったことにしてしまう。
「それがこんなめんどくさい状況になるとは、その時は思いもしなかったのです──」とナレーションを入れたいくらいでしたよ(´ω`;)。
回復したネイサンは、「政治的な問題があったり危険過ぎるという理由でほかの組織が手を出さない作戦を遂行する」エリート作戦部隊に所属していた。不法移民やFBI捜査官などをなぶり殺しにしている過激な市民軍の捜査のため、自分の故郷へ戻るはめに陥ります。
まだ夫の死から立ち直っていないサベラに対してきついことを言って傷つけて落ち込んだり、当然のように彼女の「所有権」を主張してサベラに拒否されたり、かつての自分──ネイサンに嫉妬したり、サベラと寝てしまえば「妻が別の男に身をまかせているってことかー!(;`Д´)」と思ったりと、「それってお前のせい……」と言いたくなるようなことばかりウジウジと悩み続けます。前半はほぼこれです。
気持ちはわかりますよ。「他人のふりしてヒロインに近づく話」っていくつかありますけど、みんな気持ちはわかる。言えないことや仕方ないこともあるだろう。
でも、だからと言ってモヤモヤは消えないんですよ……。こういう話って、どうしてもそこは消えないので(私はですけど)、それを超えるものが必要。
このお話の場合、「結婚していたけど、お互いに本性は隠していた」という部分がそこを担うんだと思うけど、残念なことに割とありきたりな感じ──というか、HOTな作風ですから、そっちの方へやはり行くわけです。当然HOTシーンは満載なんですけど、後半はかなり読み飛ばしてしまいました……。
もちろん、「かわいくてか弱い女の子」としか見ていなかったサベラが、実は気骨あふれる強い女性だとわかり(いろいろあって成長もしてるし)、同時にネイサンが自分の弱さや無駄なプライドを認めるという展開もあるんですけど、これもまたわかりやすすぎる……。
結局、すっきりしないまま読み終わりました。
どうしてモヤモヤするかっていうことを考えると、やはり「他人のふりをする」ということに、私が大きな作為を感じるからなんですよね。でも、それは小説の技法としてはスタンダードなもので、作者の方も承知しているので、それに対しての策を何重にも巡らせていたりするんです。この作品だって、工夫はいっぱいしてある。
それがどうしても払拭できないのは多分、私の「嘘をつき続けるストレスにものすごく弱い」というところが影響しているんだろうな、と思いました(´ω`;)。
実は市民軍(っていうかただの田舎のリンチ集団)のところとか、けっこう面白かったのよね。作品自体は11年前のものだけど、今の方が実感できそうじゃないですか。しかし、そこら辺もあっさり風味で──これがもっとがっつり描かれていたらなあ。
(★★☆)
昨日の記事を書いたあと、「今日で読み切ってやる!」と思ってがんばって読みました。とある作品のコメントでおすすめというか話題に出たものです。タイトルにリンクするとその作品のネタバレになりそうなので、やめときます。Sさま、どうもありがとうございました! いやーっ、買って読むまで二年かかってるうぅ~(´Д`;)!
昨日の段階で半分で、そこまで何日かかっていたのか──何日というより、去年から読んでたのは確かだったなあ(遠い目……)。残り半分を一日で読んでしまった。全650ページだった(ちゃんとKindleにも書いてあった)……。
半分超えて、やっと市民軍の話が具体的に動き出すんですよ。そこまでがつらいというか、とにかくモヤモヤする。ヒーローのネイサンは任務中に敵側に捕まって拷問を受け、麻薬を打たれ続けてボロボロな状態で救出されます。妻のサベラは当時まだ若く(20歳)、こんなことを知らされて耐えられるとはとても思えない。そして、いつ回復するかわからない自分のこの無残な有様を彼女に知られることにプライドが許さず、関係者に「夫は死んだ」と伝えてくれ、と言ってしまいます。そしてもちろん、社会的にも亡くなったことにしてしまう。
「それがこんなめんどくさい状況になるとは、その時は思いもしなかったのです──」とナレーションを入れたいくらいでしたよ(´ω`;)。
回復したネイサンは、「政治的な問題があったり危険過ぎるという理由でほかの組織が手を出さない作戦を遂行する」エリート作戦部隊に所属していた。不法移民やFBI捜査官などをなぶり殺しにしている過激な市民軍の捜査のため、自分の故郷へ戻るはめに陥ります。
まだ夫の死から立ち直っていないサベラに対してきついことを言って傷つけて落ち込んだり、当然のように彼女の「所有権」を主張してサベラに拒否されたり、かつての自分──ネイサンに嫉妬したり、サベラと寝てしまえば「妻が別の男に身をまかせているってことかー!(;`Д´)」と思ったりと、「それってお前のせい……」と言いたくなるようなことばかりウジウジと悩み続けます。前半はほぼこれです。
気持ちはわかりますよ。「他人のふりしてヒロインに近づく話」っていくつかありますけど、みんな気持ちはわかる。言えないことや仕方ないこともあるだろう。
でも、だからと言ってモヤモヤは消えないんですよ……。こういう話って、どうしてもそこは消えないので(私はですけど)、それを超えるものが必要。
このお話の場合、「結婚していたけど、お互いに本性は隠していた」という部分がそこを担うんだと思うけど、残念なことに割とありきたりな感じ──というか、HOTな作風ですから、そっちの方へやはり行くわけです。当然HOTシーンは満載なんですけど、後半はかなり読み飛ばしてしまいました……。
もちろん、「かわいくてか弱い女の子」としか見ていなかったサベラが、実は気骨あふれる強い女性だとわかり(いろいろあって成長もしてるし)、同時にネイサンが自分の弱さや無駄なプライドを認めるという展開もあるんですけど、これもまたわかりやすすぎる……。
結局、すっきりしないまま読み終わりました。
どうしてモヤモヤするかっていうことを考えると、やはり「他人のふりをする」ということに、私が大きな作為を感じるからなんですよね。でも、それは小説の技法としてはスタンダードなもので、作者の方も承知しているので、それに対しての策を何重にも巡らせていたりするんです。この作品だって、工夫はいっぱいしてある。
それがどうしても払拭できないのは多分、私の「嘘をつき続けるストレスにものすごく弱い」というところが影響しているんだろうな、と思いました(´ω`;)。
実は市民軍(っていうかただの田舎のリンチ集団)のところとか、けっこう面白かったのよね。作品自体は11年前のものだけど、今の方が実感できそうじゃないですか。しかし、そこら辺もあっさり風味で──これがもっとがっつり描かれていたらなあ。
(★★☆)
最終更新日 : 2019-02-07