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□『若おかみは小学生!』

『若おかみは小学生!』2018(Blu-ray)
 両親を事故で亡くした小学六年生の関織子(おっこ)は、温泉地で旅館「春の屋」を営む祖母に引き取られる。ところがそこにはずっと住み着いている幽霊の少年ウリ坊がおり、彼にそそのかされた形で、おっこは旅館の若おかみとして修業することになってしまう。(監督:高坂希太郎 声の出演:小林星蘭、松田颯水、水樹奈々、一龍斎春水、一龍斎貞友、てらそままさき、小桜エツコ、遠藤璃菜、薬丸裕英、鈴木杏樹、ホラン千秋、山寺宏一、他)



 公開時、評判を聞いていたので見に行きたかったんですが、私がいつも行くシネコンでは結局やらず(´・ω・`)。Blu-rayでようやく見ました。
 テレビアニメの最初のところは見ていて、主人公のおっこが両親を交通事故で亡くしているとか、幽霊が見えるとかは知っていたのですが、原作(『リジーの結婚』の令丈ヒロ子さん)は未読です。
 オープニングが事故のシーンで、「おいおい、しょっぱなからきっついなー(´д`;)」なんですが、全体を通してもなかなかハードな話だった……。若おかみ修業の話というより、一見日々明るく忙しく過ごす女の子が現実に向き合うまでのお話なんだから。両親の死をまったく受け入れられない、というのは無理もないことです。だって小学生なんだもの……。
 春の屋には、二人幽霊がいる。祖母の友だちだったウリ坊と、おっこの同級生・秋野真月(まつき)の姉・美陽(みよ)。両方子供の幽霊なんですよね。そこもまた「ハードだわ(´・ω・`)」となるところなんですが、描き方はほのぼのというか、スクリーンに現れる(文字通りの)背景などの清涼な映像がとても丁寧で凝っていて、手抜きのなさとか誠実さにあふれているので、なんというんでしょうか──美しい自然に癒やされるのと似た気分になれる。それにやはり子供の柔軟性にも救われます。幽霊たちも受け入れるし、若おかみとしての自覚もだんだん出てくる。
 おっこが偶然封印を解いてしまったお客を呼び込んでくれるという鬼「鈴鬼(すずき)」のおかげで、春の屋のお客は絶えないけど、ちょっと変わっていたり、わけありなお客さんが多い。その中でも一番印象に残るのは、やはりグローリー水嶺(すいりょう)という占い師のお姉さん。おっこがガチのフラッシュバックを起こすシーンにも同席するので、否応なく重要な役柄を担ってしまう。これもまたきついシーンだった。でも、気晴らしのお買い物シーンが、お金持ちの買い方していて、ある意味別方向からの癒やし効果がありました。すべてではないが、かなりのことはお金で解決できる(言い方言い方w)。
 主人公がそれぞれ訳ありな人たちと自分を重ね合わせたり、出会うことで何かを得たりしながら少しずつ自分の痛みを受け止め、本当に立ち直っていく姿を描く、という物語は、児童文学だけでなく、すべての物語の王道です。けど、「普通ならここで終わりだよな」ってところで終わらず、この映画はおっこをさらに追い詰めるんですよー。
 あのラストのお客さんのシーンは、果たしてありなのかなしなのか、とけっこう悩んでしまった。いや、映画というか、物語としては大アリなのです。展開やセリフや、その後のおっこの決着のつけ方など、脚本は『ガールズ&パンツァー』などの吉田玲子さんですから、そりゃ安心して見られるし間違いはないというのは充分、充分承知しています。モヤモヤがあるわけではない。そして、おっことしてはああいうことがあった方があとあといいはず。
 そして大ラスは感動して、涙も流しました。
 すべて納得はしていても、「きついなー……」という気持ちをどうしても持ってしまうのは、私がどうも「共感疲労」を強く感じる気質だからと思われる……。本読んでても「きついな」と思うと少し休んじゃったりするし。普通、物語の面白さがそれを凌駕するんですけど、この映画の場合は子供が主人公だったからかな……。ちょっとダメージを負ってしまった、うっ……orz
 それでも映画自体はとても面白く、素晴らしいものだと思います。大旅館のお嬢さんで、いつもピンクのフリフリを着ている真月のキャラが大好き。いわゆる姫川亜弓タイプのキャラに惹かれるんですよ。なんで好きかっていうと、こういうタイプは決して主役にならないからなんですよね(´ω`;)。魅力的な脇役が好きなのです。ミッキーマウスより断然ドナルドダック派なのです、私。
(★★★★)
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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