09
1
2
3
4
5
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
   

□『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』

『FYRE: 夢に終わった史上最高のパーティー』"FYRE" 2019(Netflix)
 2016年、バハマの私有島で行われる豪華でおしゃれな音楽フェス"Fyre Festival"についての投稿がインスタグラムで拡散された。投稿したのはプロモーションビデオにも出演しているスーパーモデルたち。チケットは48時間で完売し、誰もが開催を楽しみにしていたが、裏側では準備不足と、主催者ビリー・マクファーランドの無理難題にスタッフが苦しめられていた。(監督:クリス・スミス)



 Netflixのドキュメンタリーです。
 このファイア・フェスティバルについてのドキュメンタリーはHuluにもオリジナル作品があるんですが、そっちでは主催者ビリー・マクファーランドにギャラ払ってインタビューしている、というので非難されていたり。Huluの方は、メディア操作した側の会社が製作に関わってるだなんだとNetflixを攻撃したりと、何やらきな臭いのですが、うちはHuluに入っていないのでどう違うのかは比較できません。(比較している記事があった。事件の概要も書いてあります)
 こうやって二つの配信サービス会社がオリジナル作品を作るということは、それだけ注目されたことなんでしょう──って私、全然知らなかったんですけどね! 音楽フェス……国内のにも行ったことがないおばちゃんです。しかし、このファイア・フェスティバル、本当に宣伝どおりに開催されていたら、ほんと夢のように素晴らしいものだったでしょう。バハマの孤島の青い海でアクティビティやセレブとの船上パーティーを楽しんだり、地元新鮮食材のおいしい食事に舌鼓を打ったり、もちろん豪華なアーティストの音楽で歌い踊り、夜は贅沢なヴィラで眠る──だったらね(´ω`;)。
 しかし当日島にやってきた観客と招待されたInstagramのインフルエンサーたちは、いつのまにか変更になっていた島ではない場所にまだ建て終わっていないヴィラ──じゃなくて災害避難用テントを発見する(しかも雨でマットレスはびちゃびちゃ)。水もトイレも足りず、食料はペラッペラなパンにチーズのサンドイッチだけ。SNSで拡散されたこのサンドイッチの写真は、日本人には「スカスカおせち」を思い出させるものでした。あれのもっともっとスケールの大きい、つまりは詐欺であった、ということです。出演するはずのアーティストも、来てないか出演辞退していたし。
 そこまでしてようやくフェスを中止した主催者側だけど、もう遅い。結局、偽りの業務報告で出資者をだましていたマクファーランドは、詐欺罪で実刑判決を受けてしまいます。
 元々"FYRE"というのは「スターを家に呼べるブッキングアプリ」で、音楽フェスはその宣伝のためにやるってことだったのです。だから、会社ではそのアプリの開発を真面目にやっていて、フェスの方にまったくタッチしてないって人もいた。でも、事件発覚後はにアプリ開発も当然ダメになってしまう。フェスのスタッフだった人たちは、マクファーランドの横暴に悩まされ、なんとかフェスを成功に導こうとするが、誰もが「無理だろ」としか思えなくて……でも彼は人の話を聞かない──。
 SNSの力を最大限に利用したプロモーションは大成功だったんだけど、実体はどこにもなかった。詐欺師の心理っていうのはよくわからない……。というのもよく言ってますけど、私は「嘘をつく」というストレスにすごく弱い人間なので。でもまあ、よく言われることだけれど、マクファーランドは自分のついた嘘を本当だと思いこんでいたんだろうな。「悪いことはしていない」「自分は絶対に成功する」としか思っていなかったんだろう。だから、逐一記録を撮っていた。「全部撮れ!」って言われていたから、あの映像が残っていたわけです(ちなみにファイア・フェスティバルについてのインスタの投稿もまだ残ってるんだよね。モデルさんのとかも)。しかも、保釈中にも詐欺やってたんだけど、それも記録させてるんだよ。なんだろう……自己顕示欲の塊のような人なのかな。
 ドキュメンタリーとしては面白いんだけど、いやな気分も残らないでもない。作品を見てから「FOMO」と「JOMO」という言葉を知りました。それぞれ「Fear of missing out(見逃してしまうことへの恐れ)」と「Joy of missing out(見逃してしまうことを楽しむ)」という意味です。マクファーランドのプロモーションは「FOMO」の心理を巧みに突いたものだったのです。どちらかといえば「JOMO」の方である私のような人間は相手にされない。いや、それでいいんだけれど、なんだろう……そういう二分割することでまた炎上させたりもするんだろうな。そういうふうに見えてくるSNS時代の人間心理に、薄ら寒さを感じるのであった。
(★★★☆)
web拍手 by FC2

theme : 映画レビュー
genre : 映画

tag : ★★★☆

Secret

文字を大きく・小さく

    Twitter&ランキング



    いつもありがとうございます♪


    書評・レビュー ブログランキングへ

    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
    にほんブログ村

    最新記事

    カテゴリ

    ユーザータグリスト

    最新コメント

    最新トラックバック

    リンク

    RSSリンクの表示

    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    メールフォーム

    名前:
    メール:
    件名:
    本文:

    検索フォーム

    English Translation

    English English得袋.com

    アンケート

    QRコード

    QRコード

    FC2カウンター

    カレンダーと月別アーカイブ

    プルダウン 降順 昇順 年別

    08月 | 2019年09月 | 10月
    1 2 3 4 5 6 7
    8 9 10 11 12 13 14
    15 16 17 18 19 20 21
    22 23 24 25 26 27 28
    29 30 - - - - -


    プロフィール

    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
    ★★★★からがおすすめです。
    くわしい注意書きは→コチラ
    リクエストは→コチラ

    最近読まれている記事

    ブログパーツ

    最近の拍手ランキング

    人気の記事

    本ブログ村PVアクセス

    ユーザータグ

    ロマンス映画 ★★★☆ シリーズ コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★ ライムブックス ヒストリカル ★★★★ ★★★★☆ ★★☆ 扶桑社ロマンス 新潮文庫 サスペンス/ミステリ 資料用 ロマンス以外 角川文庫 ★★★★★ ハヤカワ文庫 マグノリアロマンス フローラブックス 創元推理文庫 集英社文庫 パラノーマル アンソロジー 二見文庫 ヴィレッジブックス ★★ MIRA文庫 ランダムハウス講談社 ラズベリーブックス その他の出版社 ★☆ ソフトバンク文庫 サンリオ 文春文庫 ラベンダーブックス ラベンダーブックス(幻冬舎) オーロラブックス(宙出版) 講談社文庫