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◆『目を開けてキスして』ダイアナ・パーマー

◆『目を開けてキスして』ダイアナ・パーマー(ハーレクイン文庫)
 コリーンの2年間の結婚生活は、夫バリーの事故死によって終わった。バリーのいとこテッドは、コリーンがいとこを殺したと責める。でもそれは間違いだ。彼は何も知らない。しかしテッドは、コリーンの言うことを何一つ信じようとしない。("Regan's Pride" by Diana Palmer, 1994)
・〈テキサスの恋〉シリーズ第11作



 実はだいぶ前に読み終わっていたのですが、ブログを書くヒマがなく(´・ω・`)……。
 前は仕事の合間でも書いていたんですが、最近は余裕がなくなってきてねえ。歳かしらねえ……。
 愚痴はこの辺にして。
 対抗意識を持っている身内の想い人を脇からかっさらって結婚して、DVしたり、ヒロインの悪口を言いまくったり、ヒーローに自慢しまくったりしたあげく、あっけなく死ぬひどい男、という話には既視感が──近年読んだのだとシャーロット・ラムの『ハートブレイカー』が似たような話です。あと、女性の言うことは信じないけど、男性から言われるとあっさり信じる、というヒーローもよくいるよね。腹立つよね~ヽ(`Д´)ノ
 まあつまり、この話のヒーロー、テッド・リーガンもそういう男です。タイトルが "Regan's Pride" ですから、テッドのプライドについてのお話なのです。読んでいてダイアナの傑作『ちぎれたハート』のヒーローを思い出した。あれくらい頑なで、ものすごく高いプライドの持ち主です。
 どれくらい高いかというと、友だちもいないくらい。これはヤバいだろ(´д`;)……。「どうせ友達なんていないし」って自分で言ってるんだよ? 信頼しているのは妹といとこのバリーだけなんだけど、妹は女性なんでお察しですよ。そしてバリーの本性は見抜けず。

「コリーンの悪口言うとめっちゃ怒る、面白え~!(゚∀゚)アヒャヒャヒャヒャ」

 腹抱えて笑ってたと思うね。バリーのいいおもちゃにされていたとも知らず、言われたことを全部鵜呑みにして、コリーンを「ひどい女だ」と非難し続ける。DVをしているのは彼女の方だとすっかり信じているのですよねー。
 私、ここまで読んで、確かにテッドはひどいというか、ダメな人なんですけど、なんだかかわいそうに思えてきて(´・ω・`)。だって、彼にとっての友だちはバリー一人だったんですよ。バリーの言うことを疑わなかったということは、信頼していたということではないですか。そんなに信頼していた親友が、単なる嘘つき男だったと知ったら、どれだけテッドのプライドは傷つくか。善良な人であれば、病むほどのショックですよ。
 ところが、次第に真相を知っていって、コリーンに罪悪感は抱いても、テッドが傷つく兆候は見えないわけです。
 あれ……これってつまり、

「バリーが死んだのは君のせいだ」

 とコリーンを激しく責めるほどバリーのことを親友と思っていたというわけではなく、結局は「すっぱい葡萄」だったのかな、と。

「いとこに好きな女性を盗られたけど、話を聞いてるとかなりひどい女だったらしい。よかった、結婚しなくて。ひどい目に合わなくて、俺って賢い」

 ていうことですね。バリーと一緒に怒っていたのは、別にバリーのために怒っていたんじゃなくて、「やっぱり俺の選択は間違ってなかった」と、実は嫉妬している自分に言い聞かせて、安心させていたんじゃないのか。
 バリーとしては、テッドにダメージを与えるのはどっちが効果的かな、と考えたと思うんですよね。「ひどい女だ」と言うか、「ラブラブで幸せなんだー」と言うか。どっちでもテッドは苦しむだろうけど、自分はDVをしてるわけだし、「幸せだ」と言ったらボロが出そう。でも自分のしていることをコリーンがやったことにすれば、テッドが疑いを持ったとしても「コリーンが嘘を言ってる」って言えば信じるはず。だってあいつ、女のこと信じないもんね〜ヽ(゚∀゚)ノアヒャヒャヒャヒャ
 ──こんな感じだろうと思われます(´ω`;)。ここはちょっと溜飲が下がりましたが(いや、これが本文中に書いてあるわけではなく、私の想像です)、コリーンにとっては地獄ですよね。バリー、彼女の父親が病気になって苦労していた時に優しいふりして近づき援助してあげて、結婚してから本性を表すような人ですから、まさに「地獄への道は善意で舗装されている」です。
 そこまで知って、ようやくテッドはコリーンに優しくしようと思うのですが、彼女にはDVのトラウマもあるし、今までの行いもあってテッドに怯えてしまうしで、全然うまくいかない。「ひどいことはもう言わない」という約束も守れず、妹に〆られても嫌味を言うのをやめられない、まるで口うるさい姑みたいな奴なのです。だから友だちもできないんだよ……。
 テッドのプライドなんて、しょせんそんなものだったのです(´-ω-`)。まやかしというか、いわゆる「しょーもないプライド」です。まあ、ハーレヒーローがデフォルトで持っている率高いものですけど、そのせいで友だちもいない奴は珍しいよ(゚Д゚)! さすがダイアナだ……。一瞬でも「かわいそう」と思った私の気持ちを返せ(`Д´)!
 読んでいる間はただただ腹の立つ作品でしたが、いろいろ考察するには楽しい作品だったので、ちょっとオマケ。
(★★★)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : コンテンポラリー ハーレクイン(文庫含む) ★★★ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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