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2019 · 09 · 23 (Mon) 14:45

◆『ダイヤモンドの海』リンダ・ハワード

◆『ダイヤモンドの海』リンダ・ハワード(MIRA文庫)
 フロリダ州にある美しいダイヤモンド湾に面した家に住むレイチェルは、ある夜、海岸に打ち上げられた男性を保護する。身元もわからない彼は、撃たれてひどい怪我をしていた。レイチェルは献身的に世話をし、やがて彼は目を覚ますが──。("Diamond Bay" by Linda Howard, 1987)
・〈ケル・サビン〉シリーズ第2作

 シリーズ名であるケル・サビンが登場する作品です。再読です。
 お話のほとんどは、レイチェルの家で展開されます。海からケルを引き上げ、看病し、意識を取り戻したけどまだ具合の悪いケルと静かに穏やかに過ごす。
 祖父から譲り受けた先祖代々の古い家に、迷い犬のシェパードとアヒルやガチョウたちと暮らすレイチェル。元はバリバリのジャーナリストだったけど、自分の取材がきっかけの事件で夫を亡くして以来、この海辺の家で小説を書いたり、大学の講義を持ったりして過ごしている。庭の菜園で野菜を育て、暑い日は海で泳ぐ。優雅だけど、世捨て人風でもある。
 そんな彼女とは正反対の伝説的なスパイ、ケル・サビン。レイチェルを愛するようになっても、一緒に生きるということは、彼女を危険にさらすことで──それにはどうしても躊躇してしまう。
 ケルは自分をつけ狙うテロ組織のボスに殺されそうになっていて、レイチェルの家にかくまわれている間にも捜索が行われてるんだけど、部下がマヌケすぎて(´-ω-`)見過ごされる。それでゆっくりできるんだけど、さすがにもうのんびりはしてられない(´・ω・`)となって、レイチェルの家を去ることになる。彼は旧友のグラント・サリバン(『炎のコスタリカ』のヒーロー)に助けを求めるが、そこへテロ組織のボスたちがレイチェルの家を急襲し──。
 後半は、実はいろいろとあっけない(´ω`;)。姿を消したケルがレイチェルの前に再び現れる過程もよくある感じだけど、まあ、これはしょうがないかなと思える。それより、テロ組織の攻撃をどう切り抜けたか、というのが、あっけないんだけど、これはこれでちょっと面白かった。再読なんだけど、すっかり忘れていたよ。とにかく国際的テロ組織のはずなのにスケールが小さすぎて、中小企業のタヌキ社長とその愛人とバカ息子的なうぬぼれ社員が右往左往しているだけみたいだったなあ(´∀ `;)。あとガチョウ……ガチョウが(´;ω;`)。
 しかし、この作品の骨はやっぱり穏やかな前半部分で──そこのよさに評価はちょっとおまけです。レイチェルの静かな強さにも惹かれます。犬のジョーもいいんだよねえ。
(★★★★)

最終更新日 : 2019-09-23

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