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□『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』

□『ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒』1999(WOWOW)
 ガメラとレギオンの戦いから三年後。再びギャオスの死体が発見され、長峰真弓は調査に乗り出す。その頃、ガメラとギャオスの戦いで両親を失い、弟とともに親戚に引き取られた比良坂綾奈は、村の洞窟で卵のようなものを発見する。卵から生まれた謎の生物に「イリス」と名をつけて綾奈はかわいがるが──。(監督:金子修介 出演:中山忍、前田愛、藤谷文子、山咲千里、手塚とおる、螢雪次朗、本田博太郎、津川雅彦、他)



 やっと見たよ、ガメラ3。
 ガメラを憎む綾奈は、イリスにその憎しみを利用されてしまうのです。強い憎しみをエサにイリスは成長し、殺戮を始める。ガメラはギャオスだけでなく、イリスとも戦うことになり、死闘がくり広げられるが──。
 この終わり方にショックを受けるということは、私はガメラ3を見てなかったんだな、と悟りました。なんともショッキングな終わり方──ガメラは孤独だ。一人で戦うしかない存在なんだな。しかもそれは、本人の意志というより地球の意志なので、満身創痍であっても退くという選択肢がない。たとえ無残な負け戦になるってわかってても戦うのを選ぶであろう、というラストシーン……。
 興行収入がよければ続きを、という話だったらしいけど、そうはならず──でも当初から「完結編」ということだったらしいから、あのラストで間違ってはいないみたい。
 決して嫌いではないラストだけど、かわいそうだよね……。結局3では全編を通してガメラは憎まれていた。憎まれないってことももちろんありえないんだけど。怪獣やスーパーヒーローに(不可抗力で)殺された身内を持つ罪なき人々の憎しみは、行き場がない。
 本当に憎むべきなのはギャオス、と綾奈も頭ではわかっているが、ぶつける存在はガメラが倒してしまってどうにもできない、けどどこかにぶつけたい。自分の中のモヤモヤをどうにかしたい、と望むあまり、間違ったことをする、というお話です。MCUなんかだと、それをちゃんと承知でやる人が出てくるわけですけど、綾奈は子供なので取り返しがつかなくなってからでないと悟れない。
 こういうお話でなくても普遍的なテーマで、かつすごくシビアな話なんですよ……。綾奈は立ち直れるんだろうか、とも思ったよ。あんな子供に背負わせすぎだろ(´;ω;`)。ガメラと同じくらいのダメージだよ……。でも、いろいろな意味でリアルなことであるし、早い段階──20年前にこういうテーマを取り上げるっていうのもまた、平成ガメラシリーズが評価される理由なんだろうね。
 けどこの間「特撮のDNA 平成ガメラの衝撃と奇想の大映特撮」って展示会に行ったら、去年のゴジラよりも人は明らかに少なく……ゴジラは世界的な人気者だな(´・ω・`)。ガメラの方が好きな私は、ちょっと悲哀を感じる。そういう寂しさがあるから、ガメラが好きなのかな、と思ったりして。
 優しさもあり、でも厳しくもあり、人知れず孤独に戦うという存在は、ぐっと来るものがある。見返りを求めず、ただ自分のやるべきことをやる、というのは、今の時代、そう自分に言い聞かせながら生きている人もたくさんいるだろうからこそ、刺さる。
 またガメラ作ってくれないかなあ、と思ったけど、もう日本では無理かもねえ。しかし世界的な人気者ではないからなあ。その奥ゆかしさがまた好きですけど。ガラパゴス的?
(★★★★)
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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