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●『侯爵と内気な壁の花』クリスティーナ・ブリトン

●『侯爵と内気な壁の花』クリスティーナ・ブリトン(ラズベリーブックス)
 26歳の子爵令嬢イモジェンは、あるパーティーに出席した夜、庭園でウィルブリッジ侯爵ケイレブにキスされてしまう。人違いを丁寧にわびたケイレブは、その後再会した彼女の誠実で温かい人柄に惹かれ、友人になろうとする。イモジェンも彼が評判どおりの放蕩者ではないと知り、その申し出を受けるが──。("With Love In Sight" by Christina Britton, 2018)




 もう去年の11月の記事になりますけど、その中で「冒頭で自分の容姿や境遇にコンプレックスを持っているヒロインに対し、人違いで無礼を働いたヒーローがそのあとちゃんと謝って、礼儀正しく優しく接する」と書いた作品とは、これだったのでした。
 ヒロインのイモジェン(この名前にだけはどうも慣れない……)は、美しい妹二人に比べて「内気なぽっちゃりさん」と噂される壁の花。目が悪いのでメガネを愛用していますが、母親から人前でかけることを禁じられている。
 父親と妹たちはイモジェンのよさを理解しているのですが、母親は自分の基準を満たせない長女を美しい妹二人と明らかに差別している不快な人です(-ω-;)。容姿第一主義で、娘をいいところへ嫁がせることに命をかけている人。メガネなんぞは女の外見を悪くさせるだけのもので、

「あんたはただでさえブサイクなんだから、せめてメガネくらいはずしなさいよ」

 みたいなことを平気で言っちゃう人なのです。最初はデビューしたての下の妹マライアとヒーローのケイレブをくっつけようとしてて、イモジェンに対して「お前なんかどうでもいいわ(゚Д゚)」みたいな態度を取っていたのに、いざ彼のお目当てがイモジェンだとわかるとコロリと変わる。マライアのドレスの中でも露出度の高いものを着せたりして、ほんとにもう……俗物としてはわかりやすいっちゃわかりやすいんですが(´・ω・`)。
 そんなふうに虐げられながらもそれに甘んじるしかオールドミスの自分の生きる道はない、と思っているイモジェンに対して、「もっと自信を持ちなよ!」と励ますケイレブ。もちろん(最初は一応)友人として。友人もおらず、こんなふうに言ってもらったことのない彼女は、彼のことを好きになり、やがて愛するようになる。
 一線を超えてしまったことからケイレブがイモジェンに結婚を申し込むんだけど、彼は自分を愛してはいないと察した彼女が断ってしまう、というのはお約束の展開。だが、それなら、とケイレブが彼女と父親を自分の実家に招待して、その間になんとかしよう、とするお話です。
 ここでネックになるのは、ケイレブの弟の死です。どうも彼が弟の死の原因を作ったらしい、と読者にはわかってる。それのせいで実家の家族との間もぎくしゃくしている。後半は亡き弟のことをいつイモジェンに打ち明けるのか、というのがメインになってきます。
 ただ、これちょっと引っ張りすぎではないだろうか、と思ったり。「真実を知ったら、きっと彼女は僕から去っていく(´;ω;`)」みたいにケイレブを思っているわけです。どんなひどい話なんだろう、と思ったら、実際はただの事故なのですよ。そりゃ救えなかった身内としてはこのくらいの後悔や思い込みは持つはずですけれど……「バレたら彼女は僕から去っていく」って思ってなかなか言わないって、「バレなきゃいいな」みたいなズルさも内包してしまうんだよね。引っ張ることでプロットの緊張感は増しますけど、そういう穴も作ってしまう。引っ張った上で、「こりゃバレたくない気持ちもわかる」みたいになってればいいんだけど。
 前半のイモジェンに対する好ましい態度と、後半の行き違いからの暴言にもギャップがあった。後半はよくいる傲慢ヒーローみたいになっちゃってて、ちょっともったいなかったなあ。
(★★★☆)
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theme : ブックレビュー
genre : 小説・文学

tag : ヒストリカル ラズベリーブックス ★★★☆

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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