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■『レイチェル』

『レイチェル』"My Cousin Rachel" 2017(WOWOW)
 父親代わりだった従兄のアンブローズは、フィレンツェ滞在中に結婚し、そのまま亡くなった。フィリップは顔も知らない未亡人レイチェルに敵意を抱く。しかし彼女と顔を合わせた時、その気持ちはなくなり、次第に惹かれていく。だが、残されたアンブローズの手紙が疑惑をかきたてる。彼はレイチェルに殺されたのだろうか──?(監督:ロジャー・ミッシェル 出演:レイチェル・ワイズ、サム・クラフリン、イアン・グレン、ホリデイ・グレインジャー、ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、サイモン・カッセル・ビール、他)



 ダフネ・デュ・モーリアの原作『レイチェル』は「もうひとつの『レベッカ』」と言われている作品。疑心暗鬼満載のサスペンスです。
 原作では最初から最後までレイチェルがこれでもかと怪しく描かれていますが、映画ではそれほど怪しくない──ように見える。文章で読むのと、ある意味「実際に会っている」みたいな映像だと、観客もだまされてしまうかもしれない。「怪しさ」よりも、レイチェル・ワイズの「妖しさ」が前面に出ているような気がする。感じよいのですよ、レイチェルさん(両方の意)。こんな人を女性に免疫のない主人公フィリップの前に置いたら、そりゃすぐに陥落しますよ。惚れてしまって母の形見の真珠のネックレスあげたり、自分が相続するはずの財産を彼女にあげてしまったりもする。彼女が善良な人なら別に問題ないのですが、死んだアンブローズは彼女に「殺される」と訴え続けて、実際に死んでしまっているので、果たして彼女の正体は? となるわけです。怪しい描写は後半に集中しています。
 ただ、ラスト近くで、

「思うように生きる権利はないの?」

 と叫ぶ彼女の気持ちには考えさせられた。この時代の女性には、そんな権利はなかったからね……。そうやって生きられないから、選択していった結果起こった悲劇なのかも、と思いました。
 私は原作を読んでいるから結末も知っているし、映画もそのとおりだと事前に知っていたから、何も知らない人とはラストの印象がだいぶ変わってしまうかもしれない。こういう微妙な物語は、映像よりもやはり小説の方がいいのかも、と感じました。特に、何も解決されず放り出されるような気分になるものは、すぐに読み返せる小説の方が余韻を存分に楽しめそう。
 映像はとても美しいです。しかし、これも私は反則な楽しみ方をしてしまった。映画『レベッカ』への不満を解消するような見方をしちゃったのです。
『レベッカ』の舞台マンダレイは映画ではあまり描写されていないので、「どんなところなのかな?」と想像するのみだったのですが、『レイチェル』に出てくる領地(原作ではコーンウォールだけど、ロケ地もそうなのかしら?)はそれを補完してくれた。森も海も入り江も崖も、きっとマンダレイはこうだったに違いないと思えた。もしかして、それを意識したのかな、と勘ぐるくらい。お屋敷はさすがに全然違うと思うけどねー。
 今回映画を見てから、原作の第一章を読み直したんだけど、感じ方が全然違っていた。『レベッカ』もそうだったけど──最後まで読んでから書き出しを読み直すと意味がわかる小説ってハズレないな、と改めて思いました。
(★★★☆)
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genre : 映画

tag : ★★★☆ ロマンス映画

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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