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□『マリッジ・ストーリー』

『マリッジ・ストーリー』"Marriage Story" 2019(Netflix)
 ニューヨークで劇団を運営するチャーリーは、妻のニコールから離婚を言い渡される。ニコールはハリウッドでの仕事のため、息子をともなってカリフォルニアへ引っ越してしまう。穏便な協議離婚を目指していた二人だったが、息子の親権を巡って次第に対立していく。(監督:ノア・バームバック 出演:スカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライヴァー、ローラ・ダーン、アラン・アルダ、レイ・リオッタ、ジュリー・ハガティ、他)



 アカデミー賞発表の前に、見られるものは見とこうかな、と思ったのでした。けど、感想を書く時間がなくて(´・ω・`)。
『マリッジ・ストーリー』ってタイトルだけど、離婚の話です。監督の実体験が元になっているらしい。
 見ているととにかく「カリフォルニアで離婚裁判はアカン」という気分になる……。いや、どこでもなるべく裁判はしない方がいいと思いますが。離婚は仕方ないけど。
 どちらかというと夫の方の都合に妻が合わせ続けて、「私のやりたいことは何もできない」と思っていたけど、それでも子供のためと我慢していたら、夫が浮気したのでキレて実家に戻った、という経緯。浮気は夫が悪い。妻が合わせてくれていたことを当たり前と思っていたのも悪い。妻の歩の悪さは、そうなる前にもう少しどうにかできたかも、というところだけ。しかしこれも双方の歩み寄りの問題なのでねえ。
 なんかこう、夫が妻の怒りをまったくわかっていないというか、それが問題とはまったく思っていないところがありがちだなあ、と思いました。「帰ってくれば万事解決」みたいに思うのもね。そんな時期はとっくに過ぎてるって妻は思うわけです。
 不満についても妻は何度も言ったはずなんだよね。けど、耳がスルーしてる。自分にとって都合のいい展開になっているから、それ以上荒立てたくないというだけなんですよ。妻としては「もっとギャンギャン言えばよかった」という後悔のみな感じです。しかし、彼女としてもことを荒立てたくないという気持ちがなくもない。少しはわかってくれて、多少報われることもあるから(劇団の看板女優でもあった)、それで我慢してたのに「浮気かよっ(# ゚Д゚)!」となっちゃった。よく聞くよ、ほんとよく聞く……国関係ないね。我慢しちゃう人は、我慢強い。その我慢に甘える人間はどこにでもいる、ということです。
 ローラ・ダーン扮する妻側の弁護士(迫力すごい)が、どんどん夫を責めて(あえてこの文字)いくんだけど、あまり爽快感はなかった。夫側の弁護士も、同じように妻を責めるから。どれだけ相手から有利な条件をもぎとるかって裁判になってしまって、揚げ足取りや悪口みたいなのの応酬になる。こりゃ疲弊するなあ、と感じました。
 でもそのおかげ(?)で、ニューヨークにこだわっていた夫はロスに住むことになり、息子の親権をほぼ半々で持てることになる。ある意味、今まで折れたことのなかった彼の変化を促した、とも言えるかも。
 ラストは別居から一年後で、オープニングで書かれたある手紙みたいなものが再び登場する。夫婦ではなくなり、二人とも変わって、息子も成長したことを表すとてもいいシーンです。過去を慈しむという行為──あの手紙の内容を過去とようやく認識できるようになった、という瞬間なんでしょうかね。物語の冒頭では、まだ「現在」なんだものね。
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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
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