2020 · 02 · 27 (Thu) 16:10 ✎
◆『赤い髪のシンデレラ』ダニー・ウェイド(ハーレクイン)
大学の講師であるウィロウは、夏休みの間、キングストン家のハウスキーパーを引き受けることになる。サバティーニハウスと呼ばれる屋敷には、主人のテイトが一人で住んでいるが、彼は何をしているかわからないひきこもりのようだ。("Taming The Billionaire" by Dani Wade, 2018)

大学の講師であるウィロウは、夏休みの間、キングストン家のハウスキーパーを引き受けることになる。サバティーニハウスと呼ばれる屋敷には、主人のテイトが一人で住んでいるが、彼は何をしているかわからないひきこもりのようだ。("Taming The Billionaire" by Dani Wade, 2018)
『かりそめの妻』が1975年の作品で、こちらのが2018年の作品。古いハーレと新しいハーレの違いがかなり明確にわかるのではないか、と思いましたが、まあ全然違う話なんだから比べるのも失礼だよね、と思ったり。
ただ、この作品のヒーロー・テイトは、心に傷を負った割と普通の人であった。18歳の時より屋敷のある島から出たことのないひきこもりだが(今いくつなのかよくわからないけど、30代くらいかな)、実はベストセラーホラー作家だし、資産家だしで、生活にはまったく困っていません。ハウスキーパーをずっとやってくれていたマードックという男性が娘の出産のために休みを取ったので、代わりにヒロインのウィロウがやってくるところから物語は始まります。
プロット自体は単純です。ひきこもっていたテイトがウィロウに惹かれ、関係を持ち、妊娠してしまったけどちょっとすれ違って──というお話。それなのに、なんだかごちゃごちゃした印象ばかりが残る。理由は明確で、どうもミニシリーズらしく、その背景がごちゃごちゃしてるんだよね。
ウィロウの祖先は、昔テイトの祖先(海賊だった)にはめられて評判を落とされ、町を出ていかざるをえなくなった。ウィロウはその無念を晴らしたいと思っていて、サバティーニハウスにその記録が残っているかも、という思惑からハウスキーパーを引き受けたんですよね。しかも妹の結婚もその昔の出来事のせいでダメになるかもという状況なので、絶対に記録を見つけたいと思っている。
おそらく姉妹三人の三部作らしいので、一作目(読むかどうするか悩み中)でウィロウとマードックの出会いなんかも書かれていそうなのですが、そこら辺は今作ではよくわからないわけです。記録(古い台帳)も見つけて、それがひと悶着呼ぶことはわかるけど、メインのロマンスとうまく絡んでいるとはいえず、あまり緊張感に結びつかない。
結局、どちらも中途半端な印象で終わる、ということになっちゃっていました。ハーレではよくあることです(´・ω・`)。
ヒーローを普通の人にすると、その分ヒロインにクセが出るように思うのは、まだ早いですかねえ。ヒーローがまともじゃないと、ヒロインを安心して普通の人にできるけれども、ヒーローがまともだとヒロインを普通の人にはしにくいというか、やはり話が動かないというか……。別にクセがあってもいいけど、人んちのものを盗み見る気満々でやってくるヒロインってどうなのさ(´ω`;)、とちょっと思ったり思わなかったり……。仲良くなったんだから、「実はこれこれこうだから、見せてほしい」って言ってもよくない? それを「言えない」「言いにくい」っていうのは、単に「言いたくない」ということでしかないように思うのよねえ。「それやったら終わっちゃう!」と作者は考えたのかもしれないけど、そうでもないと思うよ……。
(★★☆)
ただ、この作品のヒーロー・テイトは、心に傷を負った割と普通の人であった。18歳の時より屋敷のある島から出たことのないひきこもりだが(今いくつなのかよくわからないけど、30代くらいかな)、実はベストセラーホラー作家だし、資産家だしで、生活にはまったく困っていません。ハウスキーパーをずっとやってくれていたマードックという男性が娘の出産のために休みを取ったので、代わりにヒロインのウィロウがやってくるところから物語は始まります。
プロット自体は単純です。ひきこもっていたテイトがウィロウに惹かれ、関係を持ち、妊娠してしまったけどちょっとすれ違って──というお話。それなのに、なんだかごちゃごちゃした印象ばかりが残る。理由は明確で、どうもミニシリーズらしく、その背景がごちゃごちゃしてるんだよね。
ウィロウの祖先は、昔テイトの祖先(海賊だった)にはめられて評判を落とされ、町を出ていかざるをえなくなった。ウィロウはその無念を晴らしたいと思っていて、サバティーニハウスにその記録が残っているかも、という思惑からハウスキーパーを引き受けたんですよね。しかも妹の結婚もその昔の出来事のせいでダメになるかもという状況なので、絶対に記録を見つけたいと思っている。
おそらく姉妹三人の三部作らしいので、一作目(読むかどうするか悩み中)でウィロウとマードックの出会いなんかも書かれていそうなのですが、そこら辺は今作ではよくわからないわけです。記録(古い台帳)も見つけて、それがひと悶着呼ぶことはわかるけど、メインのロマンスとうまく絡んでいるとはいえず、あまり緊張感に結びつかない。
結局、どちらも中途半端な印象で終わる、ということになっちゃっていました。ハーレではよくあることです(´・ω・`)。
ヒーローを普通の人にすると、その分ヒロインにクセが出るように思うのは、まだ早いですかねえ。ヒーローがまともじゃないと、ヒロインを安心して普通の人にできるけれども、ヒーローがまともだとヒロインを普通の人にはしにくいというか、やはり話が動かないというか……。別にクセがあってもいいけど、人んちのものを盗み見る気満々でやってくるヒロインってどうなのさ(´ω`;)、とちょっと思ったり思わなかったり……。仲良くなったんだから、「実はこれこれこうだから、見せてほしい」って言ってもよくない? それを「言えない」「言いにくい」っていうのは、単に「言いたくない」ということでしかないように思うのよねえ。「それやったら終わっちゃう!」と作者は考えたのかもしれないけど、そうでもないと思うよ……。
(★★☆)
最終更新日 : 2020-02-27