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2020 · 08 · 04 (Tue) 21:34

□『マニトウ』

□『マニトウ』"The Manitou" 1978(Blu-ray)
 カレンは数日前から首に腫瘍ができた。胎児のように動くその腫瘍は、不思議な力によって切除手術を妨げる。カレンの元恋人で占い師のハリーは、前日彼女がつぶやいた言葉を手がかりに、腫瘍が400年前の悪霊の生まれ変わりだと突き止めるが──。(監督:ウィリアム・ガードラー 出演:トニー・カーティス、スーザン・ストラスバーグ、マイケル・アンサラ、ジョン・セダー、ステラ・スティーヴンス、バージェス・メレディス、他)

 なぜか発作的にブルーレイディスクを買ってしまいました。
 私はこの映画、若い頃にテレビで見たきりなのですが、ストーリーを話すと家族から、

「何それ!? ほんとにそんな話なの(゚∀゚)ゲラゲラ」

 となんだか妄想であるかのように言われ続けてきたところに、「ついにブルーレイ化!」というニュースが飛び込んできたので、「じゃあ確かめてみようか」ということで買ってしまったのです。
 結果的には私の記憶はほぼ合っていました。合っていたけど、それにこんなに大枚はたいてゲフンゲフン(´ω`;)。
 いやいや、今ではカルト映画なんですってよ、奥さん! 今日(8/4、21時現在)付のアマゾンベストセラーリスト・外国のホラー映画部門では堂々の1位ですよ!
 とはいえ、昔と印象が変わったとか、そういうことはないです……。昔見た時の印象は「トンチキなホラー映画」であり、今回も変わらないです(´∀ ` ;)。
 ほぼ合っていた、というのも後半の展開に多少の記憶違いがあったくらいだったのです。
 カレンの首の腫瘍が、400年前のインディアンの祈祷師の霊(マニトウは「霊」の意)の生まれ変わりとわかったハリーは、インディアンの現役祈祷師ジョンに退治してもらおうとする。ところがその霊は最恐の悪霊“ミスカマカス”とわかり、ジョンに「わたしの手に負えないかもしれない」と言われてしまう。
 ジョンは祈祷の際に、骨らしき道具を打ち鳴らして大地や風など自然の霊を呼ぶのですが、相手はあまりにも強く、ついにミスカマカスは生まれてしまう。結界も破り、病院を異空間(ていうか宇宙)に変える悪霊に対抗できる霊がいないとジョンがあきらめかけた時、ハリーが、

「あんた、さっき『なんにでも霊はいる』って言ってただろ!? 機械の霊は!? タイプライター投げたら怯んだぞ!」

 いや、でかいタイプライター投げたら誰だって怯むだろ──というのはともかく、打つ手がないから、ジョンはまた骨を打ち鳴らして機械の霊を呼ぼうとするのですが、

「だめだ、応えてくれない! 機械は白人のものだから……」

 ここからは私の記憶違い。
「じゃあ、俺がやる!」
 と言ってハリーが骨を打ち鳴らし、「コンピューターの精霊、出てこい!」と叫ぶとコンピューターの精霊がやってくる──という展開だとばかり。病院中の機械を稼働させてもジョンが霊を呼び出せないというのは合っていたけど。
 しかし実際に機械の霊の力を使って戦ったのは、なんとずっとベッドでほったらかしになっていたカレン! 彼女がなんか手からビーム出して、ミスカマカスといつの間にか呼び出していたなんかもっと悪い霊までやっつけてしまう。無駄におっぱい出していたけど、必然性は一つもないです(´ω`;)。
 そこまででも充分お腹いっぱいなのですが、最後の最後にダメ押しが!

「1969年、東京の少年の胸にできた腫瘍は、明らかに胎児であった」

 みたいなことがテロップで出て、終わっちゃうんですよ! 全然憶えてなくて、

「何これ!? こんなこと知らないよ(゚д゚)!?」

 と別のショックを受けてしまったのですが、これは実は嘘だそうです(Wikipediaによれば)。なんだ、この堂々とした嘘は。いや、それも含めてのフィクションなんだろうけどね!
 とまあ、こんな調子のトンチキホラーでありました。今だとポリコレ的にどうなのみたいな表現(「インディアン」とかね)とか、必然性のないおっぱいとか、時代性を大いに感じます。トニー・カーティスが出ているのも含めて。やっぱり『オーメン』でグレゴリー・ペックが出てヒットしたりしたからかな。『オーメン』はサントラを今もよく聞くくらい大好きですけど、そういえばこの映画はラロ・シフリンの音楽がすごく……大仰だった。ちょっと『ベン・ハー』を想起させるような曲で。音楽を「うるさい」と感じるのは、作曲家のせいではなく使い方なんだけどね(´ω`;)。
 って、いろいろツッコミどころ満載だけど、それはそれで楽しめたから評価はこのくらいね!
(★★★)
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最終更新日 : 2020-08-04

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