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2020 · 08 · 19 (Wed) 21:20

□『世界大戦争』

□『世界大戦争』1961(APV)
 戦後から16年たった昭和36年。東京に住む田村茂吉は、プレスセンターの運転手として働きながら、妻のお由とともにささやかな幸せを噛みしめていた。長女の冴子は田村家に下宿をする航海士・高野と結婚を約束している。幼い弟妹は七五三を迎えた。だが世界は、再び戦争へと舵を切ろうとしていた──。(監督:松林宗恵 出演:フランキー堺、乙羽信子、星由里子、宝田明、笠智衆、白川由美、山村聡、他)

 家族が「見たい」と言うので、Amazonでレンタルして見ました。
 市井の人々が第三次世界大戦に巻き込まれていく、という話なのですが、今現在の日本の状況というか、きな臭い世間の雰囲気はよく似ている。この映画の中の政府はいっしょうけんめい戦争をやめさせようと奮闘していましたが、現実はそれを軽く悪い方向へ超えていきそうなので、別の意味でどんよりとなりましたけれど。
 ただ日本は確かに高度成長期でもあったので、東西冷戦の真っ只中ではあったけれど、一般の人たちは、いわゆる「正常性バイアス」がかかってしまうよね。とはいえ、今だって状況は違えどそう思っている人は多い──というより、本当に始まるまでそれが起こるとは思えないのではないか、ということなんだろうな。自分も含めて、ね。
 コロナや災害、そして戦争もそうだけど、今までの生活が変わってしまうということは、今まで持っていた幸福を──それと実感していなかった幸福を手放すということで、また一から新しい幸福を模索していかないといけない。フランキー堺扮する茂吉が家族のために思い描いていた夢を叫び涙するシーンは、今でも共通する悲しみだろう。
 ──と、とても考えさせられる映画ではあるのだが、あまりにも救いがなさすぎて、見終わってとても暗い気分になってしまった……。つらい。今の時期はつらい。当時の人々の生活が淡々と描写されているからこその悲劇性にダメージが……。16日に見たのもまた……。
「東京が核攻撃される!」とわかって、人々が脱出するんだけど、どれだけの人が攻撃の範囲から逃げ出せたのかな。関西くらいまで逃げないとダメなんじゃなかろうか。まだ新幹線もないのに。
 あ、一つだけ救いが──娘・冴子役の星由里子がものすごくかわいい! 家族は「石原さとみみたい!」と言ってたけど、ほんとそれ級に、びっくりするほどかわいかった。こんなかわいかったっけ!? と思うくらいでした。あんなに幸せいっぱいだったのに……うう(´;ω;`)。
(★★★☆)
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最終更新日 : 2020-08-19

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