2009 · 06 · 28 (Sun) 21:53 ✎
▲『永遠なる時の恋人』J・R・ウォード(二見文庫)
ヴァンパイア戦士の集団〈黒き剣(ブラック・ダガー)兄弟団〉は、殲滅者(レッサー)たちとの壮絶な戦いのあと、新たに要塞のような館を築き、そこに移り住んでいた。そのメンバーであるレイジは、友人に連れられて屋敷を訪れていた人間の女性メアリの声に魅せられる。だが彼女は、再発した白血病に身体を蝕まれていた。("Lover Eternal" by J.R.Ward,2006)
・〈ブラック・ダガー・ブラザーフッド〉シリーズ第2作
ヴァンパイア戦士の集団〈黒き剣(ブラック・ダガー)兄弟団〉は、殲滅者(レッサー)たちとの壮絶な戦いのあと、新たに要塞のような館を築き、そこに移り住んでいた。そのメンバーであるレイジは、友人に連れられて屋敷を訪れていた人間の女性メアリの声に魅せられる。だが彼女は、再発した白血病に身体を蝕まれていた。("Lover Eternal" by J.R.Ward,2006)
・〈ブラック・ダガー・ブラザーフッド〉シリーズ第2作
前作『黒き戦士の恋人』がとても面白かったので、第二作も楽しみにしてました。とはいえ、買ってすぐの時は長いのが読めない気分だったので、今になってしまった。
今作も面白かったです。前作よりもヒーローのワンコ度が増しているような。実際に犬呼ばわりされてたし、身体の中に怪物もいるし。しかも、ヒロインはそれを難なく手なずけてしまう。
そのヒロイン、末期ガンだけど、
「ヴァンパイアになっちゃえばいいじゃん!」
というわけにはいかない設定。人間の血を吸っても、ヴァンパイアにはならないんだよね。だから、彼女の病気がどうなるのか、というのがメインのお話になるのですが、それ自体は割とそつなくまとめられていて、私的にはちと意外性がない感じであった。ある意味逆ハーな展開は、萌えツボではあったけどね。
それよりもサイドストーリーがてんこ盛りで、しかも面白い! どれもきちんとキャラが立ち、メインに匹敵するほど話に密度がある。敵対する〈殲滅協会(レスニング・ソサエティ)〉の内部事情、若くまだ遷移前ヴァンパイアであるジョンの謎、そして次作ヒーロー、ザディストの物語の序章──。
いや、この人は構成がうまい、と思いましたよ。てっきり〈ソサエティ〉との抗争が入ってくると思いきや、そうじゃない。でも、ザディストとの話が絡めてあるので、戦いの前哨戦の緊張感がある。若いヴァンパイアであるジョンは、これからキーパーソンになりそう。これらのエピソードを適度にメインの中に散らして、ぐいぐい引っ張っていく力があります。
とにかく続きが──ザディストが気になる~! 最初に出てきた時から、この人の話はすんごく読みたい! って思ってたんだよね。うー、待ち遠しいなあ!
(★★★★)
今作も面白かったです。前作よりもヒーローのワンコ度が増しているような。実際に犬呼ばわりされてたし、身体の中に怪物もいるし。しかも、ヒロインはそれを難なく手なずけてしまう。
そのヒロイン、末期ガンだけど、
「ヴァンパイアになっちゃえばいいじゃん!」
というわけにはいかない設定。人間の血を吸っても、ヴァンパイアにはならないんだよね。だから、彼女の病気がどうなるのか、というのがメインのお話になるのですが、それ自体は割とそつなくまとめられていて、私的にはちと意外性がない感じであった。ある意味逆ハーな展開は、萌えツボではあったけどね。
それよりもサイドストーリーがてんこ盛りで、しかも面白い! どれもきちんとキャラが立ち、メインに匹敵するほど話に密度がある。敵対する〈殲滅協会(レスニング・ソサエティ)〉の内部事情、若くまだ遷移前ヴァンパイアであるジョンの謎、そして次作ヒーロー、ザディストの物語の序章──。
いや、この人は構成がうまい、と思いましたよ。てっきり〈ソサエティ〉との抗争が入ってくると思いきや、そうじゃない。でも、ザディストとの話が絡めてあるので、戦いの前哨戦の緊張感がある。若いヴァンパイアであるジョンは、これからキーパーソンになりそう。これらのエピソードを適度にメインの中に散らして、ぐいぐい引っ張っていく力があります。
とにかく続きが──ザディストが気になる~! 最初に出てきた時から、この人の話はすんごく読みたい! って思ってたんだよね。うー、待ち遠しいなあ!
(★★★★)
最終更新日 : -0001-11-30