2020 · 12 · 30 (Wed) 21:35 ✎
□『ソウルフル・ワールド』"Soul" 2020(ディズニープラス)
ジャズミュージシャンを夢見る中学校の音楽教師ジョーは、チャンスをつかんだ矢先に事故に遭い、気がつくと魂(ソウル)となって天界へと送られる道に立っていた。死にたくないと抗うジョーは、人が生まれる前の世界に迷い込み、そこで何百年も生まれ変わることを拒否しているソウル22番と出会う。(監督:ピート・ドクター 声の出演:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、アンジェラ・バゼット、他)
2020年の更新はこれで最後です。ありがとうございました。
本があまり読めない一年でした。感想は映画ばかりですみません……。のんびりと読書の意欲が戻ることを待っている毎日でした。来年も焦らず、待とうと思います。
実はこのブログを始める前の私は、かなり長い間本が読めない状態にありました。「もう昔のように楽しく読書はできないのかな」とずっと悲しく思っていた時にロマンスに出会い、また本が読めるようになり、それでこの感想ブログを立ち上げた、という経緯があるので、そのうちまた復活するんじゃないかな、と思っています。いつになるかわからないけど、それは今考えても仕方ないことですよね。
ハーレクインの配信映画もあるし、Netflixを仕事の合間などに見られるようになったので、なるべく恋愛映画とか見ようかな、とささやかな来年の目標を掲げておきます。
2021年は少しでもよい方向へ向かいますように──。
ジャズミュージシャンを夢見る中学校の音楽教師ジョーは、チャンスをつかんだ矢先に事故に遭い、気がつくと魂(ソウル)となって天界へと送られる道に立っていた。死にたくないと抗うジョーは、人が生まれる前の世界に迷い込み、そこで何百年も生まれ変わることを拒否しているソウル22番と出会う。(監督:ピート・ドクター 声の出演:ジェイミー・フォックス、ティナ・フェイ、アンジェラ・バゼット、他)
2020年の更新はこれで最後です。ありがとうございました。
本があまり読めない一年でした。感想は映画ばかりですみません……。のんびりと読書の意欲が戻ることを待っている毎日でした。来年も焦らず、待とうと思います。
実はこのブログを始める前の私は、かなり長い間本が読めない状態にありました。「もう昔のように楽しく読書はできないのかな」とずっと悲しく思っていた時にロマンスに出会い、また本が読めるようになり、それでこの感想ブログを立ち上げた、という経緯があるので、そのうちまた復活するんじゃないかな、と思っています。いつになるかわからないけど、それは今考えても仕方ないことですよね。
ハーレクインの配信映画もあるし、Netflixを仕事の合間などに見られるようになったので、なるべく恋愛映画とか見ようかな、とささやかな来年の目標を掲げておきます。
2021年は少しでもよい方向へ向かいますように──。
さて、今年最後の映画は『ソウルフル・ワールド』です。ディズニープラスで配信中のピクサーの新作です。
『2分の1の魔法』はなんとか映画館で見られたけど、これは残念ながら配信のみとなってしまいました。とてもいい作品な上、映像も美しいので非常に残念。その反面、気軽に見られる──とも言えないのかな(´ω`;)。ディズニープラスに入らないといけないもんね。まあ、これに関してはあとでブルーレイとか出るんでしょうけど……。
有名ミュージシャンと共演するチャンスをつかんだ矢先に死んでしまった(正確に言うと生死の境をさまよっている)ジョーは、どうしても生き返りたい。そこで、生まれ変わることを拒否するソウル、22番の通行証を使って生き返ろうと目論むわけです。ただ、22番の通行証には最後のハンコが押されていない。そのソウルがやりたいことや好きなことなど「きらめき」を見つけると押されるハンコなので、ジョーはなんとかしてそれが押されるよう、22番を導いていく。
ひとことで言ってしまうと、ジョー自身が「生きること」の尊さについて悟る、という話であり、結論もシンプル。「一日一日を大切に生きる」。でもその当たり前で、最近とみに言われがちなその言葉が、なんと強く染みるものか。
そしてこの映画のもう一つの強いところは、「生きる目的」や「やりがい」、「夢」や「好きなこと」という、大事なことでもあるけれど、同時に「呪い」にもなりかねない面をきちんと描いていることです。22番はそれらがないまま何百年も過ごしてきた魂なわけだけど、それと「一日一日を大切に生きる」というのはまた別のことである、と22番自身も悟る。何もない自分がどうやって生きていけばいいのかわからなかったけど、自分に何もなくたって、自分の生きている世界は美しい、と感じられるだけで充分なんだよ、という物語なのです。
かかってしまうとどうなるかわからない病気が蔓延している状況でこんな物語を見せられたら、泣いてしまう……。
生きているだけで偉い。今日も一日、何事もなく過ごせたね。
それだけで充分じゃないか、と思ってしまいます。美しいと思ったり、おいしいと思ったり、かわいいと思ったり……ちょっとしたことでも、「きらめき」に変わりないんだなって。
魅力を文章などで伝えるのはなかなか難しい映画だと感じていますので、機会があったらぜひご覧ください。ディズニープラスに入っている方は必見。『マンダロリアン』と同じくらい必見! ただし子供が見てもピンと来ないかも……映像が楽しいので、それに目を惹かれるかな、とは思いますが。大人に刺さる、刺さりまくる映画です。特にお子さんを持つ親御さんたちね!
[21/5/12追記]
「ゾーン」のことについて書き忘れていた。
「ゾーン」とは、集中力が極限まで上がり、周囲が見えなくなるくらいものごとに没頭している状態、というところですかね。感覚が研ぎ澄まされたり、いつも以上の結果が出せたり、とよいこと尽くめですけれども、なかなか簡単にはいかない、という特殊な状態です。
『ソウルフル・ワールド』では、ゾーン状態になると生死の狭間にさえ行けるという設定なのですけれど、これに私「おおっ(゚д゚)!」と思ったのです。なぜなら、「集中力の高い人が集中している間、本当に時間が止まっているのではないか」という説がありまして(ソースが見つからない……すみません。あとで探す)。だから芸術家とか若いんじゃないか、みたいな説ですね。
時が止まっているというのを生死の狭間で表現するのも秀逸だし、闇落ちしてしまった22番が行くところも生死の狭間なんですよね。まったく正反対に見えるものであっても、実は紙一重であるというのが一目瞭然で、本当に練られた脚本です。
(★★★★☆)
『2分の1の魔法』はなんとか映画館で見られたけど、これは残念ながら配信のみとなってしまいました。とてもいい作品な上、映像も美しいので非常に残念。その反面、気軽に見られる──とも言えないのかな(´ω`;)。ディズニープラスに入らないといけないもんね。まあ、これに関してはあとでブルーレイとか出るんでしょうけど……。
有名ミュージシャンと共演するチャンスをつかんだ矢先に死んでしまった(正確に言うと生死の境をさまよっている)ジョーは、どうしても生き返りたい。そこで、生まれ変わることを拒否するソウル、22番の通行証を使って生き返ろうと目論むわけです。ただ、22番の通行証には最後のハンコが押されていない。そのソウルがやりたいことや好きなことなど「きらめき」を見つけると押されるハンコなので、ジョーはなんとかしてそれが押されるよう、22番を導いていく。
ひとことで言ってしまうと、ジョー自身が「生きること」の尊さについて悟る、という話であり、結論もシンプル。「一日一日を大切に生きる」。でもその当たり前で、最近とみに言われがちなその言葉が、なんと強く染みるものか。
そしてこの映画のもう一つの強いところは、「生きる目的」や「やりがい」、「夢」や「好きなこと」という、大事なことでもあるけれど、同時に「呪い」にもなりかねない面をきちんと描いていることです。22番はそれらがないまま何百年も過ごしてきた魂なわけだけど、それと「一日一日を大切に生きる」というのはまた別のことである、と22番自身も悟る。何もない自分がどうやって生きていけばいいのかわからなかったけど、自分に何もなくたって、自分の生きている世界は美しい、と感じられるだけで充分なんだよ、という物語なのです。
かかってしまうとどうなるかわからない病気が蔓延している状況でこんな物語を見せられたら、泣いてしまう……。
生きているだけで偉い。今日も一日、何事もなく過ごせたね。
それだけで充分じゃないか、と思ってしまいます。美しいと思ったり、おいしいと思ったり、かわいいと思ったり……ちょっとしたことでも、「きらめき」に変わりないんだなって。
魅力を文章などで伝えるのはなかなか難しい映画だと感じていますので、機会があったらぜひご覧ください。ディズニープラスに入っている方は必見。『マンダロリアン』と同じくらい必見! ただし子供が見てもピンと来ないかも……映像が楽しいので、それに目を惹かれるかな、とは思いますが。大人に刺さる、刺さりまくる映画です。特にお子さんを持つ親御さんたちね!
[21/5/12追記]
「ゾーン」のことについて書き忘れていた。
「ゾーン」とは、集中力が極限まで上がり、周囲が見えなくなるくらいものごとに没頭している状態、というところですかね。感覚が研ぎ澄まされたり、いつも以上の結果が出せたり、とよいこと尽くめですけれども、なかなか簡単にはいかない、という特殊な状態です。
『ソウルフル・ワールド』では、ゾーン状態になると生死の狭間にさえ行けるという設定なのですけれど、これに私「おおっ(゚д゚)!」と思ったのです。なぜなら、「集中力の高い人が集中している間、本当に時間が止まっているのではないか」という説がありまして(ソースが見つからない……すみません。あとで探す)。だから芸術家とか若いんじゃないか、みたいな説ですね。
時が止まっているというのを生死の狭間で表現するのも秀逸だし、闇落ちしてしまった22番が行くところも生死の狭間なんですよね。まったく正反対に見えるものであっても、実は紙一重であるというのが一目瞭然で、本当に練られた脚本です。
(★★★★☆)
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最終更新日 : 2021-11-01