▽『ハートに火をつけないで』ジャナ・デリオン

　９月に出たって嘘でしょ？　なんで今頃感想書いてるの？(´；ω；｀)
　……なんかフォーチュンが言いそうなセリフだな、と思った。
　今年の後半はちょっと体調を崩しまして、さんざんだった。今もよくはないけど、こうやって感想を書けるくらいにはなりました。
　田舎町シンフルに身を隠すCIAエージェントであるフォーチュンのシリーズ──通称〈ワニ町〉シリーズの第４弾です。今回はカフェの店員で焼き菓子屋さん開店を目指すアリーの家が放火されたことによる騒動を描きます。
　シンフルの中でもとびきりよい人のアリー。フォーチュンにとって初めての同年代のお友だち。その上、絶品のお菓子職人でもあるので、誰にとっても重要人物です。このシリーズ、甘いものがとてもおいしそう。バナナプディング、ブルーベリーマフィン、レイヤーケーキ、「人殺しをしてでも食べる価値あり」のペストリー──。最近、アマプラで『ブリティッシュ・ベイクオフ』ってお菓子作りの勝ち抜き番組見ているから、余計に想像してしまって。
　そんなアリーなので、誰かに狙われるなんてありえない！　放火犯を探さねば！　でも、例によって保安官助手のカーターには「余計なことするな」と言われる。しかし湿地三人組(スワンプ・チーム・スリー)、特にアイダ・ベルとガーティのおばあちゃんコンビには効かない。多数決で負けるしかないフォーチュンは、謎の大型動物に追いかけられ、コスプレしてバーに潜入し、怪しいアジトに乗り込んだりとさんざんな目にあいながら（自ら飛び込んでいるとも言える）、少しずつ真相に近づいていく。
　今回もわちゃわちゃしつつも楽しかった。ようやくカーターとの仲も進展しそうなところまで来たが、これ以降は元々フォーチュンがシンフルに来るに至った原因も進展するんだろうか。アリーと雑貨店店主ウォルターがとってもよい人たちなので、彼女たちを失望させることになったら、とそれはちょっと気がかり……。このまま仲良くダラダラ続いてほしい。本国アメリカでは今年20作目が出たそうで、どういう展開になってるのかな……。全部読みたいなあ。
（★★★★）