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2023 · 03 · 17 (Fri) 12:57

●『紅はこべ』バロネス・オルツィ(再掲)

●『紅はこべ』バロネス・オルツィ(創元推理文庫)
 フランス革命時代のパリ。厳しい警備の目をあざ笑うかのように、処刑寸前の貴族たちをイギリスへ逃亡させる謎の男“紅はこべ”。フランスからイギリス貴族ブレイクニーに嫁いだマルグリートは、フランス全権大使から“紅はこべ”の正体を探るように脅迫される。("The Scarlet Pimpernel" by Baroness Orczy,1905)

 初掲載は2009年1月12日。ブログ初期は、感想が短い……。ちょっとびっくりした(久々に読み返した)。
 確か当時、宝塚で『スカーレット・ピンパーネル』(原題)が上演されるというので、そのタイトルの新訳版が出ていたはず。現在の創元推理文庫も新訳版です(私が読んだのは、旧訳版)。他にも河出文庫などから出ています。
『スカーレット・ピンパーネル』はのちに見ました。華やかな宝塚にぴったりな冒険活劇ミュージカルです。おすすめです!

 紅はこべ、かっこいいー!
 いや、もう正体はバレバレなんですけどね。筋書きも先がすぐにわかっちゃうくらい、シンプル。けど、小説を読んでいるというより、弁士や講談師の話を聞いているような気分になります。それは訳が──悪く言えば古くさいのですが──古き良きロマンや冒険を的確に伝えていて、とても雰囲気があるからなんだと思います。こういうのにお約束の展開云々言うのは野暮ってものです。外連味って言葉がよく似合う作品。
 最初の方はちょっと読みづらかったんだけど、ヒロインが出てきたあたりから物語が動き出して、あとは一気に読めました。私、お約束って嫌いじゃない。むしろ好きなので、大いに楽しみました。妄想の余地もたっぷりで、萌えるわ~。

 ところで、私、ずっと作者を男だと思っていました。今販売されている本の表紙って、作者の写真? らしいので、女性だとわかるみたいですが、ではなく、映画の主演俳優さんらしいです(コメント欄参照)。けど、作者は女性です。私は昔の装丁のものを古本屋で買ったもので。
 アマンダ・クイックの『真夜中まで待って』のヒロインを思い出したなあ。
(★★★★)

最終更新日 : 2023-03-20

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