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2023 · 03 · 24 (Fri) 14:11

◆『ファースト・レディ』スーザン・エリザベス・フィリップス(再掲)

◆『ファースト・レディ』スーザン・エリザベス・フィリップス(二見文庫)
 夫の大統領亡きあともファースト・レディの役目を担わされていたニーリーは、疲れ果てたあげくホワイト・ハウスを脱走。一人旅の自由を満喫中にジャーナリストのマットと彼の元妻の娘2人と知り合い、4人はモーター・ハウスでアイオワを目指す。("First Lady" by Susan Elizabeth Phillips, 2000)

 すでにつまずく更新(´ω`;)。無理のないペースで続けます、ごめんなさい……。
 初掲載は2009年2月14日。紙の本のみですが、スーザン・エリザベス・フィリップス(SEP)の作品でこれが生き残っているというのはなんだか意外。シリーズものじゃなくて単発のだからかな。シカゴスターズのシリーズとか、出版社自体が違っていたりもしたものね。SEPの入門編という感じで読めるかな。この頃は山ほど出ていたけど、最近は知らない人も多いかも(´・ω・`)。

 面白かったです。ヒーローがズルくない! スーザン・エリザベス・フィリップスの作品でズルくない奴を読んだことあったかな、と思うくらい。
 ズルイヒーロー、というのは、自分のプライドやルールを笠に着て、常に逃げ道を用意している奴、あるいは本当に逃げる奴。お子ちゃまヒーローや鈍感なヒーローも同じようなことをするんだけど、彼らには自覚がない。SEPのヒーローのたちの悪さは、これを自覚してやってるところ。自分の責任から逃げようとするだけでなく、ヒロインの気持ちすら利用したりするもんね。
 私、けっこうこういうのって許せないっていうか、人間としてどうよっ!? って思ってしまうんだよね。そんなんばっかりのヒーローなのに、どうして読んでしまうのか……orz ダイアナ・パーマーとかもそう思うんだけど、なぜなんだろうなあ。
 それはさておき、今回のヒーローにはそういうイライラ感がなかった。多分、彼がやっていることが、彼の責任以上のことだったからなんだろうな。ここまでやる義理は全然ないのにさ。そんなお人好し故に、鈍感でヘタレな奴だからなかなかヒロインへの愛を自覚できないけど、最後はがんばってたし。
 でもこの作品はやっぱり、女性陣が魅力的だった。父親と周囲の環境によってセレブロボットに仕立て上げられたニーリー。ティーン特有に見える態度の下に誰からも必要とされない悲しみを秘めたルーシー。そして、最強の赤ちゃん、バトン。ニーリーとルーシーの関係は、『あなただけ見つめて』のヒロインと妹を彷彿させる。
 ルーシーとバトン姉妹に枚数を費やしたせいか、いつも入ってる脇役のロマンスがなかった。捜査官コンビが男女だったので、一瞬「ええーっ!?」と思ったけど(^^;)。そういえば、このコンビも女性の方が歳も経験も上だった。女性上位というか、女の方が偉い話って好きだな。
(★★★★)

最終更新日 : 2023-03-24

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