2023 · 04 · 25 (Tue) 16:02 ✎
◇『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』ポール・ギャリコ(角川文庫)
ロンドンで通いの家政婦をしているハリスおばさんと親友のバターフィルドおばさんは、仲良しのヘンリー少年が里親から殴られていることに心を痛めていた。彼をアメリカへ連れていって、実の父親を探してあげたい、と思うが、そんなお金はどこにもない。ところが、お得意さまのアメリカ人夫妻に「ニューヨーク転勤についてきてほしい」と言われて──。("Mrs Harris Goes To New York" by Paul Gallico, 1958, 1960)

ロンドンで通いの家政婦をしているハリスおばさんと親友のバターフィルドおばさんは、仲良しのヘンリー少年が里親から殴られていることに心を痛めていた。彼をアメリカへ連れていって、実の父親を探してあげたい、と思うが、そんなお金はどこにもない。ところが、お得意さまのアメリカ人夫妻に「ニューヨーク転勤についてきてほしい」と言われて──。("Mrs Harris Goes To New York" by Paul Gallico, 1958, 1960)
昨日4/24に発売になった今作は『ミセス・ハリス、パリへ行く』の続編です。バイタリティの塊・ハリスおばさんは、今回親友バターフィルドおばさんと近所のヘンリー少年を連れてニューヨークに乗り込みます。(ちょっとロマンス的な要素もあるんですが、メインではないので「◇」にしときます。でも微笑ましくて素敵です)
ヘンリーをどんなふうに連れていくんだろう、と思ったら、あっさり「密航」で驚きました(´ω`;)。一瞬、時代を感じる、と思った。そんな無謀な、とあきれてたら、これもまたあっさりとまずい状況におちいる。そうだよね。普通バレるよね、と思ってたら、以前パリ編でお友だちになったシャサニュ侯爵が登場。なんと新任フランス大使として船に乗り合わせていたのです。
ここら辺の顛末は「SNSのない時代でよかった」という感じです。のどかな時代だわ。
物語のメインは、ニューヨークに着いてから。本格的にヘンリーの父親探しを始めたり、ニューヨークでの生活を楽しんだりしているハリスおばさんには冒険心があふれている。新しい環境であってもマイペースを貫く彼女には、やっぱり友だちがいっぱいできて、その人たちの中から解決の糸口が出てくる。
今回の作品は、どこか児童文学みたいな雰囲気がありました(訳された亀山龍樹さんって児童文学の訳で有名な方なんですね)。ヘンリー以外は大人しかいないし、私が児童文学を語る資格も筋合いもないし、それはつまりハリスおばさんの行動が「子供っぽい」みたいに言いたいの? と問われると「そうかも(´・ω・`)……」と返事をするしかないんですが……でも、現代であっても、純粋な人は貴重な存在だよなってやっぱり思うんですよね。ハリスおばさんはある意味、「変わらない」という安心感がある。彼女に会えば、なんだか気持ちが楽になるというかね……実家みたいな。
そんなことも含めて(?)巻末の解説を、私、本業の名前で書きました。どうかどうか、よろしくお願いします! ハリスおばさんシリーズ、続き読みたい! ギャリコブーム起こってほしいわー。
いやあ、もうとにかく、ギャリコ作品の解説なんて──夢のようです。幸せすぎて、何書いたらいいのかわからないというパニックにおちいりましたけど!
ここら辺の顛末は、こちらのnoteをどうぞ。でも一番のパニックは、一行も書いていない段階でAmazonの商品ページに解説者として私の名前が出ていた時だ(´Д`;)ヒエェェェー!
(★★★★)
ヘンリーをどんなふうに連れていくんだろう、と思ったら、あっさり「密航」で驚きました(´ω`;)。一瞬、時代を感じる、と思った。そんな無謀な、とあきれてたら、これもまたあっさりとまずい状況におちいる。そうだよね。普通バレるよね、と思ってたら、以前パリ編でお友だちになったシャサニュ侯爵が登場。なんと新任フランス大使として船に乗り合わせていたのです。
ここら辺の顛末は「SNSのない時代でよかった」という感じです。のどかな時代だわ。
物語のメインは、ニューヨークに着いてから。本格的にヘンリーの父親探しを始めたり、ニューヨークでの生活を楽しんだりしているハリスおばさんには冒険心があふれている。新しい環境であってもマイペースを貫く彼女には、やっぱり友だちがいっぱいできて、その人たちの中から解決の糸口が出てくる。
今回の作品は、どこか児童文学みたいな雰囲気がありました(訳された亀山龍樹さんって児童文学の訳で有名な方なんですね)。ヘンリー以外は大人しかいないし、私が児童文学を語る資格も筋合いもないし、それはつまりハリスおばさんの行動が「子供っぽい」みたいに言いたいの? と問われると「そうかも(´・ω・`)……」と返事をするしかないんですが……でも、現代であっても、純粋な人は貴重な存在だよなってやっぱり思うんですよね。ハリスおばさんはある意味、「変わらない」という安心感がある。彼女に会えば、なんだか気持ちが楽になるというかね……実家みたいな。
そんなことも含めて(?)巻末の解説を、私、本業の名前で書きました。どうかどうか、よろしくお願いします! ハリスおばさんシリーズ、続き読みたい! ギャリコブーム起こってほしいわー。
いやあ、もうとにかく、ギャリコ作品の解説なんて──夢のようです。幸せすぎて、何書いたらいいのかわからないというパニックにおちいりましたけど!
ここら辺の顛末は、こちらのnoteをどうぞ。でも一番のパニックは、一行も書いていない段階でAmazonの商品ページに解説者として私の名前が出ていた時だ(´Д`;)ヒエェェェー!
(★★★★)
最終更新日 : 2023-04-25