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2023 · 08 · 22 (Tue) 14:40

◆『美しい標的』リンダ・ハワード(再掲)

◆『美しい標的』リンダ・ハワード(MIRA文庫)
 マックスは、自社が買収しようとしている会社の内部事情を探るため、社長秘書のクレアに近づく。ハンサムな容姿と話術で彼女を誘惑しようとするが、離婚以来頑なに心を閉ざした彼女は友人以上の関係を望もうとしない。何事にも冷静なはずのマックスは、そんな彼女の態度にいらだちを感じる。("Almost Forever" by Linda Howard,1986)



 初掲載は2009年5月14日
 また間が空いてしまいました、すみません。再掲なのにどうして更新できないのか……自分でも謎なのです……。

 リンダ・ハワードにこんなに泣かされるとは……。
 これもまた「きっと許してくれるはず」系のヒーローで──「なんとかできる」とか言ってましたよ(´∀`;)。まあ、最終的には何とかなるわけだけど、あの段階でどうしてこう楽観的に思えるんかな。
 この無神経なヒーローに対して、ヒロインは繊細で自己評価の低いタイプ。また私が弱いタイプだよ……。つまはじきだと本人は思ってるけど、家族はみんな彼女を愛してる、というのがまた泣かされるんだよね。
 けどこの作品の本当のいいところは、ヒーローにきつくお仕置きを与えているところ。自分をだましたヒーローをヒロインはもちろん許してしまうんだけど、「愛している」っていう本心は言えないから、ヒーローは想定していたようには許してもらえていない、と思うわけです。彼女の信頼を取り戻そうと必死のヒーローとしては、逃がさないように結婚するくらいしか手だてがない。その彼に対して放つ結婚式前日のヒロインのセリフ! たとえその後わずかであろうと、ヒーローは一生分の絶望を味わったろう、と溜飲が下がりましたよ。
 うーん、やっぱりリンダ・ハワードはサスペンス抜きの方が好きかも……。
(★★★★)

最終更新日 : 2023-08-22

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