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2009 · 07 · 20 (Mon) 23:15

▲『夢の中の騎士』リンダ・ハワード

▲『夢の中の騎士』リンダ・ハワード(二見文庫)
 古文書の専門家であるグレースは、所属している考古学財団の理事長が自分の夫と兄を殺害するのを目撃する。彼が狙っていたのは、グレースが持っている古文書。そこには、14世紀の勇猛な騎士ナイルについて書かれていた。逃亡生活を送りながら翻訳を進めていくと、彼が夢の中に現れるようになる。("Son Of The Morning" by Linda Howard,1997)

 面白かったー。
 私の認識不足なんだろうけど、中世の騎士と現代女性のロマンスというのは、カテゴリとしてもう成立してるんですね……。日本で言えば、異世界トリップみたいな?(いや、違うか)
 時代が全然違うから、二人はなかなか会いませんが、夢の中で逢瀬を重ねます。それもいいんだけど、どっちかっていうと私は、ヒロインが次第に変わっていく過程が、読んでいて一番面白かったな。最初の方こそ、元々の頭のよさと運だけで乗り切っていたけど、愛されることしか知らなかったごくごく普通の女性が強かになっていくところは、リンダ・ハワードの真骨頂という感じだ。しかも、自分の芯は見失わない。古文書を翻訳して、現実逃避をしているように見えるけど、これまでもそれが彼女の生きる源だったわけで──憎しみに浸食されない部分を持つというのが、本当の強さを表しているよね。やはりこの作品は、ヒロインの物語であったと思うわ。
 ヒーローもよかった。よかったけど──実は私、彼の人となりより、存在意義とか守っている“財宝”の方が気になってならなかった。守護者って彼一人なんだよね? 未来に受け継がれてはいないんだよね? 未来にいたら、呼ぶ必要はないもんね。
 ってことは、1997年には、もう“財宝”はないってこと? “財宝”があれば、守護者は必要なんだし。そういう邪な思いを抱くことを排除するってことなの? “協会(ソサエティ)”はいつ設立されたんですか? 1945年にはあったってこと?
「もう“財宝”はないよ」って言うだけじゃダメだったのかな? 私、何か見落としてる?(・ω・`)
 これもまたタイムパラドックスになるのか……。いやまあ、こういう作品で完璧にそれを排除するのは無理なのでね……これらも読み終わってから「ん?」って思ったものなので、許せる範囲です。『サラ・コナー・クロニクルズ』に比べりゃなんてことありません(´∀`;)。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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