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2009 · 07 · 23 (Thu) 14:46

▲『満月と血とキスと』シャーレイン・ハリス

▲『満月と血とキスと』シャーレイン・ハリス(集英社文庫)
 ルイジアナ州ボンタンに初めて現れたヴァンパイア、ビルにウエイトレスのスーキーは大喜び。テレパスである彼女にとって、思考が読めない彼はたまらなく魅力的だった。だが、街で殺人事件が起こった時、疑いの目を向けられたのはビルと、スーキーの兄ジェイソンだった。("Dead Until Dark" by Charlaine Harris,2001)
・〈トゥルーブラッド〉シリーズ第1作(『トゥルーブラッド1 闇夜の訪問者』)

 この本自体は絶版状態ですが、今年の6月、ソフトバンク文庫から『トゥルーブラッド1 闇夜の訪問者』というタイトルで再版されています。『トゥルーブラッド(True Blood)』というのは、テレビドラマ化された際のタイトルなんだね。ヒロインのスーキーをアンナ・パキンが演ってるそうで──まー、大きくなったこと(親戚のおばちゃん状態(´∀`))。日本で放送される予定はないのかな?
 よく『トワイライト』と比べられているようですが、私はこっちの方が好きだな。来月出るっていう続きを読もうと思ったもの。一人称だし、共通点があるといえばあるんだけど、一人称はスーキーの混沌とした複雑な性格をうまく表現しているし、あのヒーローは視点がない方がよかったと思います(あったら、もしかしてムカついたかも(´∀`;))。街の群像や南部特有の雰囲気も、ねっとりとして官能的なのに、そんなにベタつきがないのは、ヒロインのキャラゆえかしら。それとも、二人が昼間いちゃつけないから?
 いやー、私はヒーローのビルより、絶対にバーの店主サムの方がいいと思ったんだけどなー(ドラマのキャストもこっちの方が好み)。ワンコもいいけど、やっぱり黒豹になってもらって、ロデムって呼ぶのだ。そう、彼はシェイプシフター。ヴァンパイアが法的に認められている世界なのに、サムみたいな存在やヒロインの能力はどうなんだ、というか、この世界でのヴァンパイアはかなりの政治力を持っているみたい。それが気になる。
 本国ではロマンスというより、ミステリーとしても読まれているようですが、思考が読めるのにそれを生かさないこの一作目より、ヒロインが少し自分の能力に自信を持ったこれ以降の方が面白くなりそうだ。
(★★★☆)

最終更新日 : 2019-08-09

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