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2009 · 08 · 03 (Mon) 21:47

●『うたかたの輪舞曲』ナーン・ライアン

●『うたかたの輪舞曲(ロンド)』ナーン・ライアン(MIRA文庫)
 雇い主から不当な仕打ちを受け、その上無実の罪で投獄されたクレアは、監獄から救ってくれた弁護士のつてで、アメリカにあるボーモント公爵夫人の別荘へ赴く。容姿が似ていたことから公爵夫人に勘違いされたクレアは、恋多き夫人のふりをしてみよう、と思い立つ。社交界一魅力的なハンク・キャシディとひと夏だけ、情熱的に過ごすのだ。("Duchess For A Day" by Nan Ryan,2005)

 面白かったです。おとぎ話という感じ。
 まあ、読み終わってちょっとたった今は、いろいろ不満もあったりするんですが。
 たとえば、展開が偶然に頼りすぎてるとか。後半のヒーローの心情がもっと知りたかったとか。ヒーローとヒロインのHOTシーンはいいけど、ヒーローと別の女(ヒロインと出会う前ですが)や、ヒロインにセクハラした男爵の変態プレイ(´д`;)などを丁寧に描写するのはどうだろう、とか。それに費やしたページ分を、ヒーローヒロインの友人同士のロマンスというか交流シーンなどに当ててもよかったのではないか、とか。
 けど、キャラクターがなかなかよくてねえ。いろいろあってはじけちゃったヒロインとか、謎の雰囲気を持つヒロインの友人オリビアとか、最後にちょっとだけ出てきておいしいところをかっさらっていく公爵夫人とか。
 ヒーローのみっともない(ほめ言葉です)プロポーズシーンもよかったです。嘘は嘘なので、それを知った時のヒーローの仕打ちを考えると、ちょっと怖かったんだけど、全然責めなかったのは意外でした。もっとしょーもないプライドが高いと思ったら、けっこう単純で善良な人だった。どこら辺でヒロインへの愛を自覚したのか、よくわからなかったんだけど……見逃しただけ? あ、「全然責めない」っていうのを気取られないために、わざと後半、ヒーローの心情描写を少なくしたのかなあ。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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