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2009 · 08 · 22 (Sat) 15:10

▲『満月の夜に』クレスリー・コール

▲『満月の夜に』クレスリー・コール(ソフトバンク文庫)
 ヴァンパイアとヴァルキリー(戦乙女)のハーフのエマは、自分の出生の秘密を探るため、パリを訪れる。人外の者たちが人間から隠れて生活する社会〈ローア〉から初めて離れ、不安に苛まれる彼女を、ボロボロの大男が襲う。それは、ヴァンパイアによってパリの地下墓所に150年閉じこめられていたライキー(人狼)の王ラクレインで──エマは彼の“伴侶”だった。("A Hunger Like No Other" by Kresley Cole,2006)
・〈ローア〉シリーズ第1作

 久々にツボなヒーローだー。
 というより、私は“ワンコ気質”な男が好きなんだなあ、と改めて思う。ヒロインを手に入れるためなら、手荒なことも嘘も厭わない、と思いつつ、嫌われそうになるととたんに弱気になる。ヒロインが危ない目にあいそうになると、心配のあまりオロオロとうろたえる。ちょっとでもヒロインから色よいことを言われると、しっぽぶんぶん振りまくり(実際にはないけど)。アップダウンの激しい男です。
 ヒロインもなかなか強いです。最初の方は、ヴァンパイアとヴァルキリーの悪いとこどりのようなひ弱な雰囲気(ただし不死)ですが、お話が進むにつれて、次第にそうではないことがわかってくる。腕っ節も強くなっていきます。この二人の夫婦ゲンカはひどそう──怪獣が街で戦ったあとみたいになりそうな。いや、ケンカになる前にヒーローが必死に謝っちゃったり、なだめたりするか。
 しかし──キャラはいいとして、お話はツッコミどころ満載であった。けっこう都合のいい話だったな……。面白いんですけどね、「ハァ(゚д゚)?」みたいなところが頻繁にあって、せっかくのツボなヒーローの活躍(?)よりも、そっちが気になって気になって……orz 前半はよかったんだけど、後半、謎の解決になってきたら、とたんに細かいところを大ざっぱに始末しているのが見えてきちゃったよ(´∀`;)。伴侶になるまでを最後までひっぱってくれてもよかったなあ。結局、ヒーローのやきもきをもっと見たかっただけかしら。
 それと、欧米のこういうパラノーマルものは、アジア圏はないものとしているのがほとんどだよね。世界観をちまっとまとめているのなら気にならないんだけど、割とこれは広がりを持たせようとしている。そうなると、人外さんたち、なぜ中国の秘境とか、富士(霊峰ですよ!)の樹海に隠れないんだろう、とか思っちゃうんだよねえ。野暮なことは重々承知なんですが。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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