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2009 · 08 · 30 (Sun) 13:43

◆『再会は炎のように』ルーシー・ゴードン

◆『再会は炎のように』ルーシー・ゴードン(ハーレクイン)
 ロンドンのホテルでPRコンサルタントを務めるレベッカは、ある実業家を招いて接待することになった。その実業家はイタリア人のルカ・モンテス。十代の頃、彼と恋に落ちたレベッカは悲劇的な別れを経験し、それ以来、心を閉ざしたままだった。また会いたいと言うルカに、彼女はもう手遅れだと告げる。("The Italian's Baby" by Lucy Gordon,2003)

 読み始めた時は、割とテンプレなモトサヤものだと思っていたのです。でも、違った。冒頭のヒーローとヒロインの間の子供が死亡したとわかるシーンが、後半生きてくる。テンプレな展開だと、こういう事実は過去の悲しい思い出として処理されていて、枚数は現在の二人と未来について費やされるものなのですが、このヒーローとヒロインの場合、二人が15年前に過ごしたはずの生活をやり直し、短いながらも生きて亡くなった娘のために涙を流せるだけ流す、というつらいながらも勇気ある心の浄化を行うのです。
 15年もの回り道は人(ヒロインの父親)のせいでもあり、それはまぎれもない“回り道”でしかないんだけど、無駄だったのか必要だったのかのどちらとも言えない──まるで最期の時に思うように、それも人生の出来事の一つとして納得できるものになっています。
 男と女が出会って結婚するまでを描くのがロマンスですけど、もっと大きな広がりが見える。ヒーローの変化も、よく言う「傲慢ヒーローの反省」というレベルではなく、とても悲痛な故に変わらざるを得ない(というより、強がってかぶっていた殻を壊さざるを得ない)というのがよくわかりました。
 ヒロインの父親があっさり死んでいて、無意味な復讐に走らなかったのもよかったです(いや、ムカつくけどさ(-ω-;))。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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