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▲『情熱の香り』クリスティーナ・ドット

▲『情熱の香り』クリスティーナ・ドット(フローラブックス)
 ワイナリーの社長であるジェイシャの優秀な秘書となって3年。アンは今日こそ彼に自分の気持ちを伝え、受け入れてもらおうと思っていた。人里離れた彼の別荘へ向かい、彼を見つけた時、彼女は自分の目を疑った。オオカミがジェイシャに変身したのだ。アンは別荘から急いで逃げ出した。("Scent Of Darkness" by Christina Dodd,2007)
・〈闇の勇者たち〉シリーズ第1作



〈闇の勇者たち〉シリーズの第1作目。これまでクリスティーナ・ドット作品にはいまいちピンと来なかった私ですが、これは面白かったです。
 しかし一箇所、どうしてもどうしても気になるところが……!
 どうしてそれまで全然眼中になかったヒロインに対してヒーローがメロメロになったのかがわからなかった──というか、それが気になって気になって気になって仕方がなかった。もちろん、
「俺に気があるのはわかってたけど、それは単に彼女が理想の男として夢見てるだけだし(本当の俺のこと知らないんだし)」
 って思っていたというのは何となく書いてありましたが、じゃあ他の女性とつきあっていたのは何だろうか、と。その人たちだって彼のことは知らないはずだから、婚約までした人と自分の違いは何なんだ、とヒロインが疑問に思うのも当然だと思う。
 聖母のイコンの破片を彼女が見つけたから、「彼らの愛する者が破片を見つける」とヒーローの母が予言したから、そしてもう一つ、彼女には特別な“しるし”があるから──つまりそれは“運命”である、というふうに……普通なら納得してもいいんだけど、なぜかできない。アイテム集めてイベントこなしたから結婚フラグが立った、くらいにしか思えないんだよ。ヒロインもそう思ったのか、なかなか彼の「愛している」って言葉を信用しないんですが、最後にはロマンスのセオリーどおり受け入れる。
 が! 私はどうしても最初にヒロインをないがしろにしていたことがひっかかってたまらない。
 せっかくの“しるし”をうまく活用していない気がするんだよなー。邪悪な人間に利用されたら大変、と言われているのなら、ヒーローなんてある意味、悪魔と契約しているんだから邪悪も邪悪だし、屁理屈を言えば惹きつけられるはずなのに、ずっと関心なかったってどういうこと!? そこも今後解かれる謎なのか、それともこのままスルーなのか──ヒロインの“しるし”のことは、これ以降もひきずりそうなのに。
 ──ということで、ロマンスの部分は今一つ乗れませんでした(珍しい!)。面白かったけど、それは単純にお話が、です。キャラクターは二人ともいいんだけどな。特にヒロイン。“しるし”の設定も面白いし、私の大好きな孤独で自己否定型(初っ端の行動は痛い子みたいでしたが)。なのに……どうしても納得がいかない……orz 仕方ない、続きを読むか……って、続きは違うカップルになっちゃうんだけどさ。

 それはさておきやっぱり私、ヴァンパイアよりもシェイプシフターとか人狼なんかのケモノ系の方が好きだなあって思った。別にヴァンパイアが嫌いなわけじゃないんだけど、この人たちの決まり事って様式美のような感じでねえ。キングオブ人外ですから。お貴族さまっぽい。
 それと比べると、ケモノ系は庶民的(?)でフリーダムに思える。後半、敵側のバリンスキ一族の一人がフェレットに変身しちゃってガッカリ、みたいな文章があったけど、かわいいじゃん、フェレット! イタチとかヘビとかもヤダーって言ってたけど、ノロイみたいなイタチだったらかっこいいじゃん! ヘビだって大蛇だったらいいんじゃないかなあ。ヤマタノオロチみたいなのとか。それとも、でっかいほ乳類じゃないといやなの? けど、象はダメなんでしょ。草食だから。シャチとかなら許すかな。かなり獰猛だけど、陸で変身できないね(´∀`;)。
(★★★☆)
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tag : パラノーマル フローラブックス ★★★☆ シリーズ

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    三原 白

    Author:三原 白
    本(主に海外ロマンス小説)の感想と、たまに映画の感想も書きます。ネタバレもありますので、ご注意ください。
    萌え重視であるため、心の狭い感想ばかりです。やや上から目線でもあります。
    評価は★★★★★が満点、★★★が標準点クリア。
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