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2009 · 09 · 28 (Mon) 14:19

▲『海のレクイエム』アン・スチュアート

▲『海のレクイエム』アン・スチュアート(ハーレクイン)
 ハリケーンが近づいていることを知っていながら宿から出発してしまったことを、ケイティは後悔していた。引き返すこともできないまま車を走らせていると、目の前を白い影が横切る。車が海へ飛び出しそうになったところを助けてくれたのは、古い屋敷で世捨て人のように暮らすオニールという男だった。("A Dark & Stormy Night" by Anne Stuart,1997)

 これもパラノーマルというより、ゴシックロマンのようですが。あんまり甘くないというのも含めて。
 12年前のロマンスとして、こういうシェイプシフター系のヒーローというのはどうだったんでしょうか。私個人としては今も昔もあまり違和感ないけど、変身するのがあざらし……。いや、私は水棲ほ乳類は何でも大好きですよ(いや本気で)。シャチとか獰猛でかっこいい。けど、日本でアザラシと言えば、タマちゃんやゴマちゃん、あるいは旭山動物園で筒の中をつーって昇っていくような印象の方が……orz
 でも、ゾウアザラシなんかはオスがハーレム持ってたりするし。エスキモーがアザラシの肉を食べるのは、貴重なタンパク源だったと同時に、身体が非常に温まるからだと聞いたことがあります。精力の象徴みたいなもの──は、オットセイの方か(^^;)。アザラシは一雄一雌型もいるみたいですね。
 それはさておき、ヒーローが実はアザラシ、というのはほんとのところ特に気になりませんでした。別に何に変身してもいいですよ。ドンと来いですよ。ハムスターでもラマでもペンギンでもバッタでも何でも。本人が選べるものでもないだろうし。ヒロインが気にしなければ、無問題です。
 で、このヒロインはほとんど気にしない人でした。その分、ヒーローが苦悩してた。それはよかったんだけど、使用人親子の話は果たして必要だったんだろうか。嵐の夜、崖際の古屋敷、さまよう亡霊、不気味な地下室、善良そうな家政婦、無口な下働きの大男──ゴシックロマンのお膳立てとしては確かに完璧だけど、ちょっとなじんでいない気がしたのは、本筋の話と絡んでいなかったせいかなあ。そうは言っても、あまり深く絡んでは、とも思うので、難しいところだ。
 けど、ラストの雰囲気はとてもよかったです。このお話には盛大な愛の告白は似合わないね。
(★★★☆)

最終更新日 : -0001-11-30

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