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2009 · 10 · 21 (Wed) 13:30

◆『パピー、マイ・ラブ』サンドラ・ポール

◆『パピー、マイ・ラブ』サンドラ・ポール(ハーレクイン)
 ジュリーは経営する愛犬訓練所の問題児である一人と一匹を目にした瞬間、言葉を失った。なんて……なんてハンサムなの! 筋肉隆々の肩、大きな胸板、知的な茶色の目──「ミス・ジョーンズ?」。立派なマスティフ犬に見とれていたジュリーを現実に引き戻したのは、犬の飼い主ルークの声だった。("Domesticating Luc" by Sandra Paul,2006)

 人より犬が好きなヒロイン。大叔母からの遺産なので仕方なく飼っているヒーローとしては面白くありません。犬を彼女に押しつけようと画策し、一緒に暮らすよううまく丸め込みます。そうなると次第に惹かれてくるわけですが、二人の間にはいろいろズレがある。
 よくある動物が間をとりもつお話なのですが、登場人物はほぼヒーローとヒロインと犬だけ、というシンプルな構成で、犬への接し方を通して二人のズレや気持ちの移り変わりを丁寧に描いていきます。動物に関する考え方は、けっこうその人間の根本的な部分を浮き彫りにするんだよね。自分以外の命に対してどう思うのか、ということだから。
 オーソドックス&シンプルな上に、ヒーローの潔いプロポーズ──ううう、私のツボ直撃。プライドを妙な方向に使い込むヒーローでないのは好感度大。
 どうせ高いプライドならば、「ふられても惚れさせる」とか、そういうふうに使わないかな? 「拒否されたらショックだから、愛してるって言わない」みたいなプライドなど、どぶに捨ててしまえっ! と思うのですが(-"-;)。あ、この作品には全然関係ないグチでしたね……。
 ちょっとした小道具なども利いていて、涙ほろりなお話でした。
(★★★★)

最終更新日 : -0001-11-30

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